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第6回 負け組と勝ち組ともう一つ第6回 負け組と勝ち組ともう一つ

最終更新日: 2024-07-30

ページ制作日: 2024-06-21

相場の世界での「負け」とは

相場の世界で「負けない」ということは、「勝つ」ということとは異なります。大別すると「負け組<負けない組<勝ち組」といった序列になります。 まず大切なのは、負ける側から負けない側に立つことです。これは何を意味するのでしょうか。それは、まずリスク管理を正しく行うことです。 これによって、少なくとも破産という状況からは逃れることができます。運用資金が残っていれば、次の機会へ進むことができて、そこでトレンドを捉え利益を上げる可能性が残ります。

第4回のコラムで説明した①と③の側に立つということです。
リスク管理
第4回 相場の方向性を当てる事とリスク管理どちらが重要? 第4回 相場の方向性を当てる事とリスク管理どちらが重要?

負けない側に立つためには、リスク管理をきちんと行うことが重要です。そのために欠かせない要素が、第2回で解説した「自己規律」という概念です。

例えば、損切りを行うことは頭で理解していても、実際にはなかなか実施できないものです。 損失が出ているときに「もう少し待てば元に戻る可能性があるから少し様子を見よう」と思ったことはありませんか?その結果、資金不足となり、仕方なく取引を終了するケース数多く見受けられます。 こうしたケースに陥るのは自己規律ができていないからです。大半の場合、大衆投資家はこのようにして負け組になっていきます。


相場においての「決定的な負け」とは
相場においての「決定的な負け」とは、大半の資金失いトレードが継続できない状態のことを指します。
そのような状態にならないためには、リスク管理が重要なのです。


典型的な負けパターンとは? 「経験上、八割の方は同じ負け方です。」

大半の動物は本能に従って生きています。好きなことを優先し、その回数を増やしたいと願う一方で、嫌いなことは後回しにして、回数を減らしたいと考えます。 人間も動物ですから、本能に従って行動してしまいます。 相場の世界では、「好きなこと=利食い」、「嫌いなこと=損切り」ですから、本能のままに行動すれば、利益が出たらすぐに利食ってしまいたい欲求を満たすことを何度も繰り返そうとします。 反対に損切りはできる限り避けたいので、ポジションが損に転じたら、いつまでもズルズルと手仕舞いを先延ばしにします。そして資金不足、もしくは、期限がきた時点で仕方なく損切りをするのです。 これでは、たとえ50回勝っても、たった一度の負けで全てを失ってしまいます。いわゆる“コツコツドカン”です。

コツコツドカン

これが相場で確実に負け組になるための第一歩です。小さい利益をチョコチョコと取り、損失を大きく膨らんだままにする。 確実に、しかも早く資産を減らしたいなら、このやり方が一番です。言い換えるならば、この反対のやり方ができれば、負け組から脱出することができます。 この段階では特別な売買技術は必要ではありません。大切なのは、損切りを早く行い損を小さく抑え、利喰いは遅く大きくするという正しいやり方を「実行できるかどうか」です。 これは売買技術以前の問題で、心の制御・感情のコントロールの問題です。

自己規律

アルコールも適量なら百薬の長と言われていますが、適量でストップできる方よりもついつい飲み過ぎる方の方が多いのではないでしょうか。 タバコが体に悪いと分かっていてもなかなかやめられないのも同じで、早くて小さな利喰いは良くない売買だと分かっていても、利益を吐き出すのが嫌だといった本能が邪魔してなかなかやめることができません。 つまり、自己規律を身につけ、本能の赴くまま行動をすることを改めないと、負け組から抜け出すことはできません。

では、相場に負けないためにどうすべきか、勝ち組に入るためにどのような工夫をすればよいのかを順を追って考えてみましょう。


自己規律を身につけよう

自己規律は訓練によって養うことができます。大げさなことをしなくても心の修行は可能です。そのためにお勧めしたいのが、毎日相場日誌をつけることです。 当コラムの「トレードの記録をつけましょう」で記載したことを実践していただければよろしいかと思います。

トレードの記録をつけましょう トレードの記録をつけましょう

相場日誌をつけましょう

  1. その時の状況を客観的に書きとめる。
  2. どういう状況だったのか。相場は上昇しているのか、下落しているのか。出来高は増加しているのか減少しているのか。取組はどうなっているのか。 相場環境の現状認識を行います。そして、周りの人気も判断します。新聞はどのように書いているのか、市場の人気はどう変化しているのか。 この段階では、自分の考えや感じ方は書かず、状況を客観的に記すことが重要です。

  3. 自分の感じた事や考えを記入
  4. 現在の環境に対して自分はどのように感じたのかを記録します。その環境において自分の感じ方や考え方がどのような影響を受けているか、環境の変化によってそれがどう変化するのかを記録します。 これにより、感情がいかに客観的判断を妨げるかに気付かされると思います。 最終的に、自己規律を身につけるということは、感情に支配されない強い心を持つということです。

  5. 自分の売買のアイデアを記す
  6. 現状を認識したことから、どうなったら売買を開始するか、どうなったらその売買を清算するかを記録します。状況に応じた作戦を準備します。

  7. 結果と反省
  8. 売買の結果がどうなったかを記録し、うまくいった場合にはその理由を、うまくいかなかった場合にはその原因を客観的に振り返ります。 そして、次にどうするかを反省し書き留めます。

このようにして日々の環境の変化と自分の心境の変化を日誌に記録していくことで、自分を客観的に見ることができるようになります。 新聞やネットニュースの見方も変わるでしょう。新聞・ネットニュースを見て自分がどう思うかではなく、この記事を読んだ他の人たちがどう感じ、どう行動するかを考えるようになります。 相場に参加する投資家にとって重要なのは、そのニュースの中身を理解することよりも、そのニュースを読んだ他の人たちがどう感じ、どう行動するかを感じ取ることです。

また、頭の中でいくつものシナリオを考えて、シミュレーションを繰り返すことで、実際に値動きが発生したときにパニックにならずに機敏に対処することが可能になります。 結果として、売買がうまくいってもいかなくても、相場日誌をつける効果は絶大です。うまくいった場合、その経験を客観的に記録することで、次回も同じような環境が現れたときに同じ対応ができます。 うまくいかなかった場合でも、次に同じ環境が現れたときに、同じ失敗を繰り返さないようになります。 もし、こうした相場日誌を1年間継続できたなら、その段階で既に負けない側に立っていると思います。騙されたと思って実行してみてください。必ずあなたの糧になるはずです。



第7回に続く 第7回に続く(coming soon)

第5回 トレンドフォロー 第5回 トレンドフォロー


執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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