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商品デリバティブ取引の仕組み

目次


モノ(コモディティ)へ投資する

商品デリバティブ取引で売買するのは、金・原油・トウモロコシといった物の価格になります。

商品先物取引で売買する商品例(金・原油・トウモロコシ)

商品デリバティブ取引といえば、多くの方は縁遠い存在だと感じられると思いますが、取り扱っている商品は、ガソリンやとうもろこしなど生活に密着した商品がほとんどです。 車に乗られる方で、ガソリンの価格を知らない人はいないでしょうし、主婦の方にはとうもろこしの価格は気になるところではないでしょうか?

身近な商品を売買できるのが商品デリバティブ取引の面白さの一つです。


生活に身近な物の価格を決めているのが商品デリバティブ取引だよ


金価格が上がっているのはテレビや新聞で最近よく見るね

なぜ、商品を取引するのか

もし、これらの「商品」を独り占めする業者が現れたら、需給のバランスが崩れて価格が大きく動き、その影響は生産者や流通業者だけにとどまらず、私たち消費者など世界中の隅々まで波及してしまいます。 そのような混乱を防ぐために「商品」の売買については商品デリバティブ取引のルールのもとで取引所で価格が決定されます。
取引には、実際の商品を取り扱う商社や業者のほか、商品そのものは不要だけど、商品を通じて投資を行うことを目的とした機関投資家や個人投資家などが参加しています。様々な立場の参加者を広く募ることで、公正な価格形成が期待されています。

公正な価格形成

日本取引所グループ(JPX)

大阪取引所(OSE)
金標準先物 白金標準先物 金ミニ先物 白金ミニ先物
金限日先物 白金限日先物 銀先物 パラジウム先物
ゴム(RSS)先物 ゴム(TSR)先物 とうもろこし先物 一般大豆先物
小豆先物 CME原油等指数
東京商品取引所(TOCOM)
プラッツドバイ原油先物 バージガソリン先物 バージ灯油先物 バージ軽油先物
電力先物 LNG先物

堂島取引所(ODEX)

堂島取引所
金限日 白金限日 銀限日 新潟コシEXW
とうもろこし50 小豆 米国産大豆

商品デリバティブ取引の漫画


売りからスタートできる

商品デリバティブ取引は、「買い」だけでなく、「売り」からでも取引をスタートできます。 「買ってから値上がりした時点で売ると利益」だけではなく、「売ってから値下がりした時点で買うと利益」となり、どちらでスタートしても構いません。

売りからスタートできる

たとえば、「金」が値下がりすると考えた場合は、ます「売り」注文を出します。その後、値下がりしたところで「買い」注文を出すことで、この取引は終了します。 高い価格で「売り」注文を出して、安いところで「買い」注文を出せば、その差額が利益となり支払われます。ただし、安い価格で「売り」注文を出し、高いところで「買い」注文を出せば、その差額が損失となりまので、その差額を支払わなければなりません。

「将来、値上がりするのでは?」と思えば買いでスタートして、「将来、値下がりするのでは?」と思えば売りでスタートすることができます。相場の下落局面でも、利益を狙うことができるのが商品デリバティブ取引の特徴です。

商品デリバティブ取引の漫画


なぜ売りから入れるのか

先物取引とは、取引の対象となるモノ(原資産)を、現時点で取り決めた価格(約定価格)で、将来の一定の時期(決済期日)に受け渡しすることを約束する取引です。

先物取引とは


当初の契約どおり決済期日におカネとモノを受け払いして取引を終えることもできますが、先物取引では、決済期日前に買い手は別の買い手と売り契約を結び(転売)、売り手は別の売り手と買い契約を結ぶ(買戻し)ことによって、 当初の契約と新たに結んだ契約を相殺し、当初の契約と新たな契約との差額を清算することで取引を終了させることができるのが特徴です。

このように「買い」の取引を「売る(転売)」、「売り」の取引を「買う(買い戻し)」により、買った時または売った時の価格と現在の価格との差額を清算して取引を終了することを 「差金決済(さきんけっさい)」と呼びます。

先物取引の売りは「将来」に商品を渡す約束をする取引ですから、現時点で対象物を保有している必要はありません。目論見どおり価格が下がれば、 買い戻しして利益を確定すれば良いのです。これを「空売り(からうり)」といいます。

例えば、原油先物で来年の4月受け渡しの物が1バレル60ドルで取引されているとしましょう。ここから原油価格が下がると思っている人は、この取引に売りから入ります。 売りっぱなしで放っておくと、来年の4月になったら実際に原油を確保しなければなりませんが、買い戻しでこの取引を終わらせれば、原油を確保する必要はありません。 仮に予想どおりに原油価格が1バレル50ドルに下がり、この価格で原油先物を買い戻しできれば1バレル10ドルの儲けとなります。

原油空売りの例

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析

値段が下がりそうな時も値下がりを狙って投資できるのが魅力だね


最初は持ってないのに売ることができるのは違和感があるかもしれないけど、慣れてしまえば仕組みは簡単だよ

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析

小さな資金で取引可能

商品デリバティブ取引は、代金の一部を預け入れれば、その数十倍もの額の取引が可能になります。 この金額は各銘柄ごと定められており、取引を行う商品の総額に対して約2〜10%程度になるために、仮に200万円の商品の先物を取引する場合、10万円程度の資金で取引ができることになります。
この資金のことを取引証拠金と呼びます。

レバレッジ(てこ)の原理

レバレッジとは?

取引証拠金234,000円で、金標準先物1000gの取引が可能です。金1gが7,700円前後ですので、7,700,000円の取引になります。 取引証拠金234,000円のおよそ30倍の金を取引していることになります。【2022年12月1日現在】

この33倍という倍率のことをレバレッジと呼びます。

商品デリバティブ取引はレバレッジが固定されているわけではなく、商品の価格や証拠金の額によりレバレッジは日々変動します。また、銘柄によりレバレッジは大きく異なります。

主な銘柄の証拠金とレバレッジ(2023年6月現在)
投資商品 証拠金額 レバレッジ 投資商品 証拠金額 レバレッジ
金標準先物 204,000円 およそ40倍 ドバイ原油 363,500 円 およそ10倍
金限日 19,800円 およそ40倍 ゴム(RSS) 39,000円 およそ25倍
白金標準先物 102,000円 およそ20倍 とうもころし 82,500円 およそ25倍
白金限日 22,200円 およそ20倍

商品デリバティブ取引の漫画

証拠金不足について

証拠金とは、相場の変動により参加者に損失が発生した場合に、損失が支払われないことを回避するために預け入れる担保金です。 ですので、相場の変動により担保金が不足するケースがあります。その場合は取引を継続するためには追加で資金を預け入れて担保不足(証拠金不足)を解消しなければなりません。


不足金のイメージ


証拠金の不足額は、日中立合終了後に確定します。証拠金不足が確定した場合は、翌営業日の午前11時までに不足金額以上のご入金してください。午前11時までにご入金が確認できない場合はすべての建玉が決済されます。 (業者により対応が異なる場合がありますのでお取引されている業者にご確認ください。)

資金に余裕を持たせて建玉しないとすぐに不足金が発生して追加の入金が必要になるよ


資金に余裕がなくなってくると取引の判断も落ち着いてできなくなるかもしれないので気を付けたいね

納会日とは

先物取引とは、取引の対象となるモノ(原資産)を、現時点で取り決めた価格(約定価格)で、将来の一定の時期(決済期日)に受け渡しすることを約束する取引とご説明しましたが、この決済期日のことを「納会日(のうかいび)」と呼びます。
また、先物取引の期限が満了する月のことを「限月(げんげつ)」と呼びます。例えば、2024年12月24日が納会日である金標準先物取引は、24年12月限(ギリ)という言い方をします。

限月のイメージ

国内商品市場では大半の銘柄が6限月制となっており同時に6つの限月を取り扱いしています。期限が一番遠いものを「期先」(きぢか)、期限が一番近いものを「期近」(きさき)と呼びます。 一般的に、個人投資家の方は「期先」を選んだほうがよいとされています。 日本の商品先物取引は、期先になるほど出来高(取引量)が多いためにスムーズに売買が成立するからです。「納会日」が近づいてくるほど、流動性が下がり、売りたくても買い手が少なくなり、 価格の変動も大きくなる事もあります。「期先」の方が時間的に余裕をもって売買をすることができます。

期限のない限日取引

取引の限月(期限)は、各銘柄ごとに異なります。主な銘柄の限月は下記の通りです。

主な銘柄の限月
金標準・白金標準 12カ月以内の偶数月(6限月)
金ミニ・白金ミニ 12カ月以内の偶数月(6限月)
原油 連続15限月
ゴム 連続12限月
金限日・白金限日 なし(無期限)

限日取引は、日中立会い終了時 (15:15) まで決済されずに残っているポジションは翌取引日以降へ自動的にロールオーバーされます。 これにより実質的に取引の期限がなくなるため、決済することなく相場動向を見据えた長期のお取組みが可能です。
※他の銘柄と同様に価格の変動により評価益が減少または評価損となり、資産評価額が取引必要額を下回るとお取引を維持するには追加のご資金が必要となりますのでご注意下さい。

商品デリバティブ取引の漫画

朝6時まで取引可能

大阪取引所

大阪取引所の取引時間は、日中立会は「8:45〜15:15」・夜間立会は「16:30〜6:00(30:00)」です。 なお、ゴム夜間立会の時間は、日中立会は「9:00〜15:15」・夜間立会は「16:30〜19:00」となります。

大阪取引所 取引時間
銘柄 日中立会 夜間立会
貴金属市場 (金・白金)
農産物市場 (とうもろこし・大豆)
CME原油指数等
8:45〜15:15 16:30〜6:00
(30:00まで)
ゴム市場 (ゴムRSS・TSR) 9:00〜15:15 16:30〜19:00
東京商品取引所

東京商品取引所の取引時間は、日中立会は「8:45〜15:15」・夜間立会は「16:30〜6:00(30:00)」です。 なお、電力先物取引の夜間立会の時間は、日中立会は「9:00〜15:15」・夜間立会は「16:30〜19:00」となります。

東京商品取引所 取引時間
銘柄 日中立会 夜間立会
原油・石油製品 8:45〜15:15 16:30〜6:00
(30:00まで)
電力 9:00〜15:15 16:30〜19:00

金や原油などの商品は、日本が夜の時間帯でも欧州や米国などを中心に取引され、価格が刻々と動いています。朝6:00まで市場が開いていることにより、海外のコモディティ市場や為替の動向を睨みながら日本の市場で金や原油などをリアルタイムに取引できます。

祝日でも取引可能

大阪取引所及び東京商品取引所では、取引参加者の利便性を向上させ、我が国のデリバティブ市場における競争力強化を目指し、2022年9月23日(金・秋分の日)より祝日取引が開始されております。 これにより、取引所に上場されているデリバティブ商品を日本の祝日にも取引できるようになりました。

取引所は原則として、毎年2月に翌年1年間の実施日(予定)を公表し、6月及び12月にそれぞれ翌年の上半期・下半期の実施日(確定)を公表します。今後の実施スケジュール等の詳細はこちらの取引所のホームページをご覧ください。

成行注文

価格指定しないで発注する注文で、約定できない場合にはキャンセルされます。※全量約定は保証していません。成行の買い注文を入れると、その時の最も安い売り注から順番に対応して注文が成立します。成行の売り注文では、最も高い買い注文から順番に対応して注文が成立します。

指値注文

価格指定して発注する注文で、売注文であれば指定価格以上で約定し、買注文であれば指定価格以下で約定する注文です。

買い注文は、指定した買い値以下での売り注文がなければ、いつまでも売買は成立しません。(売り注文の時は逆)そのため、指値注文はいつまでその注文を出し続けるか、発注時に注文の有効期限をよく検討してください。

逆指値注文

逆指値注文は指値注文とは逆に「指定値段以上になったら買う」「指定値段以下になったら売る」といった、指定の価格以上で買いたい場合や、指定の価格以下で売りたい場合の注文方法です。
具体的には、買い建玉(たてぎょく)が下がり続ける場合に、決済の逆指値注文を発注しておけば、一定以上の含み損になると自動的に決済されます。 また逆に、売り建玉は、上り続けた場合に逆指値のラインに到達すると決済されます。逆指値注文は、投資家が市場の変動に対して柔軟に対応することを可能にし、リスク管理の重要な手段の1つとなっています。

ご注意ください。
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売買に際しての最終判断はあくまでもご自身でご決定ください。 商品関連市場デリバティブ取引及び商品先物取引は元本や利益が保証されるものではなく、 価格の変動により場合によっては委託証拠金の額を上回る損失が生じることもあります。 為替、日経平均株価の分析は、商品市場分析の参考データとしてご提供しております。 当社では、外国為替証拠金取引及び日経平均指数先物取引の取り扱いはしておりません。
なお、予告なしに内容が変更又は、廃止される場合がありますのであらかじめご了承ください。
お取引の際は事前に 重要開示事項 等を十分ご理解のうえ、ご自身の判断で行なって頂けますようお願い申し上げます。