【金小売価格が初の14,000円台 】今日の相場解説 (2024.10.15)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2024-10-24
ページ制作日: 2024-10-15
またまた金が最高値を更新
本日の注目銘柄は金です。ちょうど一週間前の記事でも金を取り上げました。その時は、10月7日に記録した史上最高値12,773円について書きました。
こちらの記事はバックナンバーからご覧いただけますので、ぜひチェックしてみてください。
そして本日、金は再び最高値を更新しました。国内小売価格も過去最高値を記録し、Yahooニュースでもトップニュースとして取り上げられています。
YAHOO!ニュース【金の国内小売価格が過去最高値を更新 初の1万4000円台に】
それでは、本日の内容に移りましょう。
まず、7月17日の最高値であった12,679円を上抜け、史上最高値12,773円を記録した10月7日からの高値・安値を振り返ってみましょう。
- 10/7 高値: 12,773円 安値: 12,535円
- 10/8 高値: 12,734円 安値: 12,536円
- 10/9 高値: 12,670円 安値: 12,454円
- 10/10 高値: 12,602円 安値: 12,501円
- 10/11 高値: 12,690円 安値: 12,526円
- 10/15 高値: 12,841円 安値: 12,654円(※執筆時点での値)
金の価格は引き続き堅調に推移している状況です。
金先物(日足)
上記がその間のチャートです。
10月7日の12,773円から10月9日の12,454円までの「319円」の調整を経て、価格は再び上昇し、本日(祝日取引中)には最高値を更新しました。
この動きと比較すると、9月27日の12,603円から10月1日の12,112円までの下げ幅「491円」に対して、今回の下げ幅は319円と小さく、強い基調が続いていることがわかります。
10月1日の12,112円から10月7日の12,773円までの上昇幅に対する調整安幅を計算してみると、以下のようなフィボナッチリトレースメントが算出できます。
- 38.2%ダウン: 12,520円
- 50.0%ダウン: 12,443円
- 61.8%ダウン: 12,365円
この3つの価格帯が「王道」の調整価格として考えられますが、実際には12,454円で下げ止まったため、半値押し手前で調整が終了したことになります。これにより、相場は比較的強いままで推移していると言えるでしょう。
金先物(日足)
また、移動平均線(9日・26日・52日)を加えると、上記の通り、10月9日の安値は9日移動平均線(9日MA)でサポートされていることが確認できます。
前回の記事で「指標の確認」について触れた方は、10月9日の安値が9日MAで支えられ、さらに半値押し手前で止まっていることを確認できたはずです。
ちなみに、10月9日の終値は12,536円で、前日比90円安(38.2%ダウンの価格よりも上で終了)となりました。
この時点で、翌10日に前日の安値を割るか、あるいは短期指標を割り込むかが、次の日の最大のポイントになると判断した投資家は、買い玉のトレーリングストップをどこに入れるべきか適切に対応できたはずです。
対して、その指標を知らずに金の取引を行っていた人は、「どうしよう、このままでいいのかな?」「どこで決済すればいいのか分からない…」といった不安が増していたのではないでしょうか。
このような不安を取り除くためにも、事前にテクニカル指標や価格帯を把握しておくことの重要性を改めて感じます。ちなみに、もう一つの指標として挙げていた一目均衡表の状況も、以下のように確認できます。
金先物(日足)
やはり、一目均衡表も割れておらず、引き続きサポート機能を果たしている状況が続いています。
さて、今後の動きについてですが、最高値を更新したため、次のテクニカルプライスをしっかりと導き出しておく必要があります。
10月8日の記事では、大きな流れの中で13,112円と13,120円という価格を提示しましたが、もう少し細かく見ると以下の価格が次の目標として浮上します。
- 12,848円(本日高値: 12,841円)
- 12,895円
- 12,993円
- 12,970円
- 13,092円
- 13,112円
- 13,115円(新たに追加)
- 13,120円
重要なのは、史上最高値を更新している現状は「未知の領域」であるため、通常以上にテクニカルプライスをしっかりと算出し、冷静に対応できるよう準備をすることです。これが慌てずに取引を行うための秘訣となります。 マーケットEyeの情報サイトでは、各テクニカル指標から見た注目のテクニカルプライスを掲載していますので、ぜひ参考にしていただき、皆様の取引にお役立てください。
最後に、週足ベースのチャートも参考にしていただければと思います。長期的な視点でのトレンドやサポート・レジスタンスの位置を確認することで、より広い視点から今後の動きを予測する材料になるでしょう。 週足の動きは短期的な変動に惑わされず、相場の大きな流れを捉えるのに役立ちます。
金先物(週足)
2021年3月の5,852円から引いたトレンドラインが、今回のチャートにおいても重要な役割を果たしています。
- ① 一番下に位置するライン
- ② 二番目に位置するライン
- ③ 三番目に位置するライン
- ④ 今の価格に最も近い四番目のライン
これらのトレンドラインは、どの期間に焦点を当てて引くかによって見える数や角度が変わってきます。 短期、中期、長期のいずれかの視点でラインを引くことで、異なるサポートやレジスタンスが明確になり、相場の状況に対する見方が変わることもあります。 相場対応に困ったときこそ、部分的な動きに振り回されず、全体の流れを確認することが大切です。木を見て森を見ずの状況に陥らないよう、幅広い視野で分析を行い、トレンドラインを参考にして今後の展開に備えてください。
週足ベースでのテクニカル的に注目される価格について、フィボナッチ・エクステンションを基に分析すると、今後の上値目標や調整の目安が見えてきます。 フィボナッチ・エクステンションは、トレンドが続いた場合の次のターゲットを予測するための指標で、特に強いトレンドが続いている際には有効です。
フィボナッチ・エクステンションの解説はこちら金先物(週足)
週足から見た注目ポイント価格は以下の通りです。
フィボナッチ・エクステンション(2023年10月第1週終値8,713円・2024年7月第2週終値12,344円・2024年8月第1週終値11,463円を基に算出)
- 23.6%:12,320円
- 38.2%:12,850円
- 50.0%:13,279円
- 61.8%:13,707円
本日の高値は12,841円となり、38.2%のライン(12,850円)が抵抗として機能したことが確認されます。今後の注目点は、このラインを突破できるかどうかです。
もし、この38.2%ラインを突破すれば、次に目指す価格帯として50%付近の13,279円がターゲットとして浮上します。
この価格帯は、次の主要なレジスタンスゾーンとなる可能性が高く、上昇トレンドが続くかどうかの鍵となるでしょう。
トレーダーにとって、この価格帯を意識しつつ、短期指標や他のテクニカル分析手法を組み合わせて取引の方向性を確認することが重要です。
本日の金のポイント
本日の金の動きを踏まえた目先のポイントは以下の通りです。
- 高値を更新している間は、素直に対応し、上値のテクニカルプライス(この記事内に記載しています)に対してどこまで達成しているのかを日々チェックすることが重要です。
- 前日の安値を割り込んだり、前日の高値を更新できない日が現れた場合は、短期指標の位置を必ず確認しておきましょう。短期の動きを把握することで、売買のタイミングを見極める手助けになります。
- 金曜日終了時点で、金の建玉が一気に「約20%増加」した動きにも注目が必要です。これは市場の動向や投資家の心理に変化が現れている可能性があるため、慎重にチェックしましょう。
- 高値を更新し続けていますが、週足RSIでは逆行現象が継続中であることも頭の片隅に入れておくべきです。これは過熱感がある一方で、反動が生じる可能性を示唆しています。 逆行現象の解説はこちら
- 8月の安値10,804円から本日高値12,841円まで2,037円の上昇。この上昇幅が大きくなればなるほど、調整幅も大きくなる可能性が高まります。 仮に38.2%の下げ幅だとすると、12,063円までの下落が考えられ、778円の下げ幅になります。
引き続き、値動きの荒い状況が予想されますが、短期売買か中期視点での売買か、自分の投資スタイルを今一度考え直すことが大切です。 「動いている=チャンスあり!」と捉えるのか、「動いている=怖い!」と感じるか、その違いは非常に大きいです。皆さんはどちらの立場でしょうか?
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Tweet※tradingview社のチャートを利用しています。
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