サポートラインとレジスタンスラインとは
最終更新日: 2024-10-16
ページ制作日: 2024-03-01
サポートラインとレジスタンスライン
「サポートライン」と「レジスタンスライン」は、チャート分析において価格動向を理解するための基本的な概念です。これらはテクニカル分析の中核をなすもので、トレーダーや投資家が市場の動きを予測し、取引戦略を立てる際に頻繁に利用されます。
サポートライン
サポートラインは、価格の下落が一時停止または反転する傾向がある特定の価格レベルを示します。このラインは、価格が下降する際に、買い手が増加し始め、売り手が減少することで形成されます。サポートラインは、価格がこのレベルに達すると、さらなる下落を防ぐ強い買い圧力が存在することを示唆します。サポートラインは、トレーダーが買いポジションを検討するための潜在的なエリアと見なされます。
サポートラインは、下降トレンドにおいて「底」を示す位置に引かれることが多く、このライン上で価格が反発することで、投資家は買い時を見極める手がかりとします。このラインで支えられることから「支持線」とも呼ばれます。 サポートラインは、過去に何度かその価格レベルで価格が止まったり反転したりした頻度が多くなれば特に信頼性が高まります。
サポートラインで価格が反発する理由は?
- 価格による供給と需要 サポートレベルに近づくと、価格が「割安」と見なされるため、買い手が市場に参入しやすくなります。これにより、需要が増加し、価格の下落が止まるか、または反転する可能性が高まります。 同時に、その価格レベルで売りたいと考える人が少なくなることもあります。供給が減少すると、価格のさらなる下落を防ぐ効果があります。
- 心理的な影響 多くの投資家がサポートラインを意識しているため、価格がサポートラインに近づくと、心理的な影響で買い注文が増加したり、売り注文が減少したりすることがあります。
- テクニカル分析による売買 テクニカル分析を行う投資家にとって、サポートラインは重要な指標の一つです。そのため、価格がサポートラインに近づくと、テクニカル分析に基づいて買い注文を出す投資家が増え、価格が反発する可能性があります。
サポートラインは、需要の増加や心理的要因から価格が反発する可能性が高まる重要な指標です。
サポートラインの引き方
サポートラインを描くためには、選んだ時間枠内で見られる価格の「安値」を探し、これらの点を直線で結びます。重要なのは、少なくとも2つ以上の安値を結ぶことで、これがサポートラインの基礎となります。
描いたラインが価格の安値を適切に結んでいるか確認します。可能な限り多くの安値をこのラインに沿わせることが理想的ですが、すべての安値を完璧に結ぶ必要はありません。ラインが多くの安値にタッチする場合、そのサポートラインはより信用性が高いと考えられます。
何度も同じところで反発していると同じように反発するんじゃないかとおもっちゃうよね。
他の投資家もこのラインを買い時と見なすため、価格がこのレベルに近づくと買い注文が増えることが多く、価格がさらに下落するのを防ぐ効果があるよ。
サポートラインは水平線だけでなく、斜めに引かれたサポートラインもあります。上昇トレンドや下降トレンドの中で、価格が反発するポイントを結ぶことで引くことができます。右肩上がりに引かれたサポートラインの中で、安値だけでなく高値も右肩上がりになっているサポートラインのことを「トレンドライン」と呼びます。
トレンドラインについては下記のページでご紹介しています。
トレンドライン分析とは
トレンドラインの引き方
レジスタンスライン
レジスタンスラインは、チャート分析における重要な概念で、価格の上昇が一時的に停止または逆転する傾向がある特定の価格帯を指します。 このレベルは、売り圧力が増加して価格のさらなる上昇が難しくなる点を示しているため、「抵抗線」とも呼ばれます。
レジスタンスラインを価格が超えられない理由は?
- 価格による供給と需要 レジスタンスレベルに近づくと売りたいと考えるトレーダーの数が増えることがあります。これにより、供給が需要を上回り、価格の上昇が抑制されることがあります。 同時に、その価格レベルで買いたいと考えるトレーダーの数が減少することもあります。買い手が減ると、価格はさらに上昇するのが難しくなります。
- 心理的な影響 レジスタンスラインは、投資家にとって心理的な障壁となります。過去の経験から、レジスタンスラインを超えると価格が下落する可能性が高いと認識している投資家が多いため、買い注文を控え、価格が上昇しにくくなります。
- テクニカル分析による売買 多くの投資家がテクニカル分析を用いて投資判断をしており、レジスタンスラインは重要な分析指標の一つです。そのため、レジスタンスラインに達したタイミングで売買を行う投資家が多くなり、価格が上昇しにくくなります。
レジスタンスラインは、売り圧力が強まる価格帯として機能し、多くの投資家がこのラインを目安に売りを検討します。
レジスタンスラインの引き方
レジスタンスラインは、過去の高値を結んで引く水平線または斜めのラインです。上昇トレンドにおける上値抵抗線として機能しますが、その性質や有効性を理解した上で活用することが重要です。
- 高値の特定 チャート上で過去の価格動向を見て、価格が上昇しては跳ね返された「高値」のポイントをいくつか見つけます。これらの高値は、価格が上昇しにくいレベル、つまりレジスタンス(抵抗)となるエリアを示しています。
- ラインの引き方 特定した高値を基にレジスタンスラインを引きます。このラインは複数の高値を直線で結ぶことで描かれ、2点以上の高値を結ぶ必要があります。3点以上の高値を結べる場合、そのレジスタンスラインはより信頼性が高いとされます。
- ラインの調整と分析 レジスタンスラインを引いた後、市場がこのラインをどのように反応するかを観察します。価格がこのラインに触れて反転する場合、レジスタンスラインとしての有効性が確認できます。逆に、価格がこのラインを突破する場合、そのレジスタンスラインは破られたとみなされ、新たなレジスタンスラインの引き直しが必要になることがあります。
レジスタンスラインは、売りポジションのエントリーポイントや利益確定の目標、ロスカットのレベルを決定する際に役立ちます。レジスタンスレベル近くで売り注文を検討するか、レジスタンスレベルを上回るブレイクアウトを待つかを決定する際に使用します。
サポートライン・レジスタンスラインのブレイク
サポートラインやレジスタンスラインのブレイク(突破)は、市場のトレンドにおける重要な転換点を示すシグナルとして捉えられます。これらのラインは、市場参加者の心理や供給・需要のバランスを反映しており、ブレイクはそのバランスの変化を示唆します。
サポートラインのブレイク
- 売り圧力の増加 サポートラインをブレイクするということは、売り手が買い手を圧倒し、市場における売り圧力が増加している証拠です。投資家やトレーダーが、それまでのサポートレベルを下回る価格でも資産を売却することに価値を見出していることを意味します。
- トレンドの変化または加速 サポートラインのブレイクは、下降トレンドの開始または既存の下降トレンドの加速の可能性を示唆しています。これは、市場センチメントが弱気に変わったか、既に弱気である状況がさらに強化されたことを示す重要なシグナルです。
レジスタンスラインのブレイク
- 買い圧力の増加 レジスタンスラインをブレイクするということは、買い手が売り手を圧倒し、市場における買い圧力が増加している証拠です。これは、投資家やトレーダーが、それまでの高値を超えてもなお資産を購入することに価値を見出していることを意味します。
- トレンドの変化または加速 レジスタンスラインのブレイクは、上昇トレンドの開始または既存の上昇トレンドの加速の可能性を示唆しています。これは、市場センチメントが強気に変わったか、既に強気である状況がさらに強化されたことを示す重要なシグナルです。
サポートラインやレジスタンスラインのブレイクは、市場のトレンド転換や加速を示す重要なシグナルです。
レジサポ転換
レジサポ転換(レジスタンス・サポート転換)は、株式市場や外国為替市場などの金融市場において使用されるテクニカル分析の概念です。これは、価格の動きがレジスタンス(抵抗)レベルをブレイクし、その後そのレベルがサポート(支持)レベルとして機能するようになる現象、またはその逆のケースを指します。この概念は「ロールリバーサル」とも呼ばれ、市場の心理や供給と需要のダイナミクスが変化したことを示唆します。
- レジスタンスがサポートに転換する場合 価格がレジスタンスレベルを突破すると、市場参加者はそのレベルを新たな支持線として見るようになります。突破前は価格が上昇する際の障壁と見なされていたレベルが、突破後は下落する際の「サポート」として機能します。これは、突破したレベル以上で価格を維持しようとする買い圧力の結果です。
- サポートがレジスタンスに転換する場合 価格がサポートレベルを下回ると、市場参加者はそのレベルを新たな抵抗帯として見るようになります。突破前は価格が下落する際の支持線と見なされていたレベルが、突破後は上昇する際の「レジスタンス」として機能します。これは、突破したレベル以下で価格を抑えようとする売り圧力の結果です。
レジサポ転換はテクニカル分析において非常に重要な概念です。レジサポ転換の理解は、ストップロスの設定やリスク管理戦略の改善に役立ちます。
何故こういう動きになるのかわからないけどレジサポ転換はしっかり覚えておきたいね
ラインブレイクの注意点
強いレジサポの特徴
- 多数のタッチポイント 強いレジサポラインは、価格がそのレベルに達した際に何度も反転することによって確認されます。多くのタッチポイントがあるほど、そのレベルはより重要であると市場参加者に認識されます。
- 大きな取引量 レジサポレベル近くでの取引量が増加すると、多くのトレーダーがその価格での買いや売りに関心を持っていることを示します。強いレジサポレベルでは、価格がこのレベルに近づくと取引量が増加する傾向があります。
- 心理的なマーク 特定の価格帯、特に丸い数字(例えば1.2000や100.00など)は、トレーダーにとって重要な心理的なマークとなります。これらのレベルがレジサポラインとして機能することが多く、強いレジサポとして認識されます。
このような強いレジサポがブレイク(突破)した時は、その後の動きが大きくなる可能性が高いです。また、レジサポ転換(ロールリバーサル)が起こりやすい傾向があります。 レジサポ転換は、心理的、経済的要因が組み合わさって生じる複雑な現象です。市場のトレンド、参加者の期待、そして経済ニュースやイベントなどの外部要因が、このプロセスに影響を与えることがあります。市場の微妙なバランスが変化すると、レジスタンスがサポートに、またはその逆に変わることがあり、これらのポイントは新たな取引の機会を提供します。
サポートラインとレジスタンスラインの「だまし」についてのコラムです。あわせてご覧ください。
「だまし」とうまく付き合っていくには?※tradingview社のチャートを利用しています。
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