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トレンドライン分析トレンドライン分析

トレンドとは

相場のトレンドは、金融市場や商品市場において、ある特定の資産や商品の価格が時間の経過とともに持続的に上昇または下降する傾向を示すパターンのことを指します。トレンドは、相場の方向性を示す重要な情報であり、投資家やトレーダーが市場を分析し、戦略を立てる上で重要な要素となります。

主な相場のトレンドには、以下の3つがあります

上昇トレンド(Bullish Trend)

上昇トレンドは、価格が時間の経過とともに持続的に上昇する状態です。相場が上昇トレンドにあるときは、価格の上昇が優勢であり、トレーダーは値上がりのチャンスを見極めて買いポジションを取ることが一般的です。

上昇トレンド

上昇トレンドは、高値と安値が連続して切り上がる値動きを指します。


このように安値が切り上がっているだけで、高値が切り上がっていない値動きは上昇トレンドとは呼びません。

高値の切り上がりがない

上昇トレンドとは、価格の動きが高値と安値の両方で連続的に上昇している状態を指します。 新しい高値は前の高値よりも高く、新しい安値も前の安値よりも高くなることが必要です。この一連の上昇する高値と安値によって、市場が上昇トレンドにあると認識されます。


下降トレンド(Bearish Trend)

下降トレンドは、価格が時間の経過とともに持続的に下降する状態です。相場が下降トレンドにあるときは、価格の下落が優勢であり、トレーダーは値下がりのチャンスを見極めて売りポジションを取ることが一般的です。

下降トレンド

下降トレンドは、高値と安値が連続して切り下がる値動きを指します。


横ばいトレンド(Sideways or Range-bound Trend)

横ばいトレンドは、価格が一定の範囲内で上下に動いて、特定の方向に明確な傾向が見られない状態です。相場が横ばいトレンドにあるときは、トレーダーは価格の範囲内での取引を重視することが多いです。横ばいトレンドは、市場が特定の範囲で供給と需要が釣り合っている場合に発生することがあります。

トレンドのない状態を「レンジ相場」、「ボックス相場」と呼びます。


レンジ相場


「トレンド」という言葉は良く聞くけど、言葉の意味を考えたことはあまりなかったね。



ダウ理論という理論では、連続する高値・安値が、それより前の高値・安値より切り上げる状態が「上昇トレンド」、切り下げる状態が「下降トレンド」と定義されていますよ。




トレンドとトレンドレスの実例
トレンド相場とレンジ相場

トレンドとトレンドレスは、市場の状況や期間に応じて変化します。一般的に、市場はトレンドとトレンドレスの周期を繰り返します。例えば、一定期間の上昇トレンドが後にトレンドレスなレンジ相場に転換し、さらに下降トレンドに移ることがあります。 また、レンジ相場に転換後、上昇トレンドが再開することもあります。

トレンドが形成されると、トレーダーはその方向に従って取引を行うことが一般的です。一方、トレンドレスの市場では、価格の変動が限られているため、トレーダーにとっては取引が難しく、リスクが高まることがあります。 トレンドとトレンドレスの認識は、適切なトレード戦略を選択し、市場状況に適応するために重要です。


トレンドの期間

相場のトレンドの期間は、トレンドの持続時間によって異なります。トレンドの期間は以下の3つの主要な分類に分けることができます。

短期トレンド(Short-term Trend)

短期トレンドは、相場の方向性が数日から数週間程度続くトレンドを指します。短期トレンドは市場の日々の変動に影響を受けることが多く、小規模なニュースやイベントによって影響を受けることもあります。

中期トレンド(Intermediate-term Trend)

中期トレンドは、相場の方向性が数週間から数ヶ月程度続くトレンドを指します。中期トレンドは、経済のサイクルや業績などの中程度の要因によって影響を受けることが多いです。中期トレンドは、投資家や長期のトレーダーにとって重要なトレンドとされます。

長期トレンド(Long-term Trend)

長期トレンドは、相場の方向性が数ヶ月から数年以上続くトレンドを指します。長期トレンドは、経済の基本的な動向や大規模なイベント、政府の政策などの大きな要因によって影響を受けることがあります。長期トレンドは、長期投資家やトレーダーにとって重要な情報とされます。


トレンドの期間については、個別の相場やトレンドの特性によっても変化するため、一概に決まった期間を設定することは難しいです。また、トレンドの期間は予測できるものではなく、過去のデータを元にして分析することが一般的です。トレンドの持続期間は、投資家やトレーダーが戦略を立てる際に重要な要素となります。


環境認識

環境認識とは、現在のマーケット環境がどういう状態にあるかを判断することを指します。相場は異なる時間軸で異なるトレンドを示すことがあります。 トレンドの時間軸の把握とは、相場のトレンドがどの程度の期間で形成されているか、そのトレンドが短期的なものなのか、中期的なものなのか、あるいは長期的なものなのかを理解することを指します。つまり、価格チャートやデータを分析して、トレンドがどの時間枠で成立しているのかを把握することです。

トレンドの期間

「5」のように、短期トレンド及び中期トレンドは下降トレンドとなり、長期トレンドは上昇トレンドとなるケースがあります。時間軸によりトレンドが異なるため、どの時間軸のトレンドで売買するかによって、リスク許容度や利食いのポイントが異なることがあります。このようなケースでは、トレーダーは以下のポイントを考慮する必要があります。


リスク許容度の評価: どの時間軸のトレンドに参加するかを決定する際に、自身のリスク許容度を評価します。短期トレンドや中期トレンドの下降トレンドは、価格変動が速く、逆張り戦略を取ることが多いため、リスクが高いとされます。一方で、長期トレンドの上昇トレンドは、順張り戦略を取ることが多く、リスクが比較的低いと考えられます。

利食いのポイントの設定: 短期トレンドや中期トレンドでは、価格変動が激しいため、利食いのポイントを短期的に設定することが一般的です。一方で、長期トレンドでは、価格が比較的安定しており、利食いのポイントを長期的に設定することが考えられます。

トレンド転換のサインの監視: どの時間軸のトレンドであっても、トレンド転換のサインを監視することが重要です。特に、短期トレンドや中期トレンドの逆張り戦略を取る際には、トレンドが転換しないかどうかを確認しましょう。

トレード計画の適応: 時間軸によってトレンドの特性が異なるため、トレード計画を適切に適応させることが重要です。短期トレードや中期トレードでは、エントリーから利食いまでの期間を短く設定することが一般的です。

トレンドが異なる時間軸で変化することは、トレーダーにとって柔軟なアプローチを取る必要性を示しています。自身のトレードスタイルや目標、リスク許容度に合わせて、適切な時間軸でトレードを行い、リスクを最小限に抑えながら利益を追求することが大切です。


トレンドの期間

このように短いトレンドと長いトレンドの方向が異なることがありますが、一般的に、短い時間軸のトレンドよりも長い時間軸のトレンドの方が強いと言えます。これは、短期的なトレンドは市場参加者の心理やニュースなどの短期的な要因に影響を受けやすく、反転しやすい一方、長期的なトレンドは長期的な経済指標や企業業績などの長期的な要因に基づいて形成されるため、持続性が高く、強いトレンドとなるからです。 例えば、日足よりも週足、週足よりも月足のトレンドの方が強い傾向があります。


短期トレンドで相場の予測をしたのに、含み損が大きくなって長期売買になることが良くあるよ…



相場でよくある失敗パターンだね。新規建玉を短期トレンドで予測したならば、決済まで短期トレンドで考えるべきだよね。自分の都合で予測する時間軸を変更するのはよくないね。


トレンドライン

トレンドラインは、価格チャート上で価格の動きを示すために引かれる直線や線のことを指します。トレンドラインは、相場のトレンド(価格の方向性や傾向)を視覚的に把握するのに役立つツールです。主に上昇トレンドと下降トレンドの形成やその強さを確認するために使用されます。


上昇トレンドライン

上昇トレンド中では、価格の底(ローソク足の安値)をつなぐ直線を引くことで、価格の上昇方向を示します。トレンドラインが価格の下値をつなぐため、価格がトレンドライン上に沿って上昇することが期待されます。

上昇トレンド



上昇トレンドラインの例

上昇トレンドの例


下降トレンドライン

下降トレンド中では、価格の頂(ローソク足の高値)をつなぐ直線を引くことで、価格の下落方向を示します。トレンドラインが価格の上値をつなぐため、価格がトレンドライン上に沿って下落することが期待されます。

下降トレンド



トレンドラインは、チャートの高値もしくは安値を線で結んだだけの簡単なテクニカル分析だけど、もっとも有効なテクニカル分析の一つだよ。



これなら僕でもできそうだね。たくさんトレンドラインを引いて練習しよう。


チャネルライン

チャネルラインとは、トレンドラインに対して平行に引かれたラインのことを指します。上昇チャネルラインは、上部の直線(レジスタンスライン)は価格の上値をつなぎ、下部の直線(サポートライン)は価格の下値をつなぎます。価格はこの上下のラインの間で動くことが多く、上昇傾向が継続する限りチャネル内での動きが期待されます。 下降チャネルラインは、その逆となります。

チャネルトレンド


チャネルラインは、トレーダーが価格の動きをより詳細に分析するために使用されます。価格がチャネルラインの上下を行き来する動きを見せる場合、それを利用してエントリーや利食い、ストップロスのポイントを決定することができます。


下降チャネルラインの例

下降チャネルラインの例


ポイントAのようにレジスタンスとして機能していた下降トレンドラインがブレイクされたことにより、今度はサポートラインとして機能することがあります。トレンドラインはブレイクした後も注意するようにしてください。


トレンドラインを使った売買

価格がトレンドラインに近づいたり、トレンドラインを下回ったり(上昇トレンドの場合)、上抜けたり(下降トレンドの場合)するタイミングでエントリーポイントを決定します。(上昇トレンドラインの場合)

上昇トレンドのエントリーポイント

ポイントA(買いエントリーポイント)
上昇トレンドが確認できる中で、トレンドラインで反発して再上昇を始めたポイント

ポイントB(買いエントリーポイント)
上昇トレンドが確認できる中で、前回の高値を上回って上昇が確認できたポイント

ポイントC(売りエントリーポイント)
上昇トレンドラインを下回って下落が確認できたポイント


トレンドライン分析の注意点

価格データの選択と信頼性: トレンドラインを引くために使用する価格データは、一般的にローソク足チャートやバー・チャートでの終値を使用しますが、価格の種類や時間軸によって異なる結果が得られることがあります。複数の時間軸でトレンドラインを引くことでより確実性を高めることができます。

複数の点を使用してトレンドラインを引く: トレンドラインを引く際には、複数の価格ポイントを使用してラインを引くことが重要です。ラインを引く際に2つ以上の価格ポイントを結んで、より確実性の高いトレンドラインを形成しましょう。一点だけから引かれるトレンドラインは誤差やノイズに弱いです。

過去のデータと将来の動向: トレンドラインは過去の価格動向を基にして引かれますが、将来の価格動向を正確に予測するものではありません。トレンドラインはあくまで参考情報であり、その後の市場の変化に注意を払いながらトレード戦略を構築しましょう。

トレンドの優先順位と時間軸: 長期的なトレンドラインは短期的なものよりも重要性が高いとされることがあります。トレンドライン分析を行う際には、適切な時間軸でトレンドラインを引き、トレンドの優先順位を考慮して判断することが大切です。

トレンドラインの角度: トレンドラインの角度も重要です。急速な上昇や下降の角度は、一時的な過熱感や過剰反応を示す可能性があります。トレンドラインが急激に傾いている場合は、その後の調整や反転の可能性を考慮することが重要です。

結合と確認: 他のテクニカル指標やパターンとの結合や確認を行うことで、トレンドラインの有効性や信頼性を高めることができます。トレンドラインが他のシグナルと一致する場合、トレードの確信度が高まります。

これらの注意点を踏まえながら、トレンドライン分析を行い、より効果的なトレード戦略を構築することが大切です。



トレンドラインって一本ではなくて複数の線が引けるのでどれを信じていいかわからないよ。



最初のうちは、トレンドラインを引けるだけ引いてみてください。トレンドラインを何度も引いていれば、どこに引くべきなのかわかるようになってきますよ。何事も実践経験が大事です。



トレンドラインの引き方はこちらでご紹介していますので、あわせてご覧ください。

トレンドラインの引き方の詳細はこちら トレンドラインの引き方

tradingview社のチャートを利用しています。


執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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