【ドル円とNY金の動きが示す国内金価格の行方】今日の相場解説 (2024.11.14)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2024-11-14
ページ制作日: 2024-11-14
為替と金価格の関係
本日もGOLDは値動きがあり、11月14日の終値は12,870円で前日比180円安となっています。 一方で、為替は現在155.90円と円安が進んでいます。「円安なら金の価格は上昇するのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、現時点ではそのような動きにはなっていません。
ドル円(日足)
今年に入って金価格が通常以上に大きく上昇した要因の一つに円安が挙げられます。 しかし、11月以降の円安状況にもかかわらず、国内の金価格は10月31日の高値から下落しています。その背景には、NY金市場の動きが影響していることが考えられます。
NY金(日足)
NY金は、今年2月からの上昇トレンドラインを明確に割り込み、相場の様相が悪化していることがはっきりとしています。11月11日の記事で以下のように記載しました。
トレンドの変化を見逃すな!金価格の次なる動きを予測する(2024.11.11)
現在は、52日MA(2660.6ドル)、26日MA(2712.8ドル)の中間に価格(2675.9ドル)は維持しています。
今年の安値である2月14日の1,996.4ドルから、10月30日の高値2,801.8ドルまでの上昇に対するフィボナッチ・リトレースメントを用いると、重要な水準は次の通りです。
現在の安値は11月7日の2,650.3ドルであり、38.2%のリトレースメントである「2,494.1ドル」までは達していません。一方、マニアックな数値である23.6%のリトレースメントは2,610ドルであり、現在の位置から40.3ドル下にあります。以下、主要な水準を再掲します。
その後、23.6%のリトレースメントである2,611.7ドルをすでに通過しており、昨夜の安値は2,578.1ドルまで下落しました。それでもなお、38.2%リトレースメントの2,494.1ドルまでは、あと84ドルの下落余地があります。
皆さんもご存じのように、金価格の歴史的な急上昇の主な要因は「円安とNY金高」のダブル効果によるものでした。しかし、現在はそのダブル効果がなくなっている状況です。これを踏まえ、今後の動きを考えていきたいと思います。
継続するドル高円安
ドル円に関しては、なかなか突破できなかった155円の壁を抜けてきました。 以前の記事でも触れていましたが、153.4円を明確に超えた場合、次の目標価格である157.16円を目指す動きになると述べていましたが、現在その動きが現れてきていると考えられます。
ドル円(日足)
一目均衡表においても、10月に雲の中に突入し、その後見事に雲を通過しました。雲の上限が滑り台のように働き、円高に進む可能性もありましたが、その懸念を打ち消す形で円安が進行しています。
米国大統領選挙の開票時には一時的に円高に振れる場面がありましたが、トランプ大統領誕生と同時にドル円は円安方向に進み、荒い値動きの中でも直近安値を割ることなく円安の流れを維持しています。
仮にこのまま円安が進み、NY金の価格が38.2%のリトレースメント水準である「2,494.1ドル」まで下がった場合、国内換算価格は以下のようになります。
- 156円計算:12,509円
- 157円計算:12,589円
- 158円計算:12,669円
- 159円計算:12,749円
- 160円計算:12,829円
- 161円計算:12,910円
これはあくまで仮計算であり、NY金価格が、2,494.1ドルであった時に国内金価格がどの水準にあるかという計算結果です。為替がそのレベルに来れば必ずその価格になるわけではありません。
50%リトレースメントである「2,399.1ドル」で計算すると、以下のようになります。
- 156円計算:12,032円
- 157円計算:12,109円
- 158円計算:12,186円
- 159円計算:12,264円
- 160円計算:12,341円
- 161円計算:12,418円
現在の為替を取り巻く環境では、短期間で大幅な円安に振れる可能性は低いと考えますが、円安が大きく進まずにNY金が一気に下がるパターンも想定しておく必要があります。
NY金価格の動向
NY金(日足)
NY金の一目均衡表では、価格が雲の中に突入しており、今年7月以来となる雲割れの可能性が出てきています。このことは、さらなる下落圧力を示唆する可能性があります。加えて、日足チャートでは、52日移動平均線(MA)を割り込んだ後も、現時点で明確な反発の兆しが見られない状況です。 これらの動きは、市場の弱含みを示しており、さらなる調整局面に入るリスクもあります。今後、雲割れが確定するかどうかや、移動平均線を再び上抜けることができるかが重要なポイントとなるでしょう。市場の動向を注視しつつ、慎重な対応が求められる局面です。
NY金(週足)
これまで上昇トレンドを維持していたNY金ですが、直近の調整局面で週足ベースでも調整に入っていることが確認できます。
価格が9週移動平均線を下抜けしており、さらに26週移動平均線を試す可能性があることが示唆されます。
もし26週移動平均線を明確に割り込む場合、さらなる下落圧力がかかる可能性があります。
逆に、26週移動平均線近辺がサポートラインとなる可能性もあります。
短期的な反発が見られるかどうか、また反発した際の9週移動平均線への再接近が注目されます。
NY金(月足)
9カ月移動平均線が2,466ドルであることを考えると、38.2%のリトレースメント価格である2,494.1ドルと近い位置にあるため、長期的な視点でもその水準前後までの下落は起こり得ると考えられます。 その際にドル円が157円レベルであれば、国内金価格は「12,589円」の換算価格となります。この価格は、8月6日の安値10,804円からの38.2%戻りである「12,667円」や、9月9日の安値11,421円からの上昇幅の50%戻りである「12,620円」に近い水準であり、下落があった場合に「12,600円レベル」に達する可能性を考慮する必要があります。 このような下落が見られる状況に変化をもたらすためには、引き続き前日安値を割れず、続伸を続ける動きが見られるかを確認することが重要です。
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