【トレンドの変化を見逃すな!金価格の次なる動きを予測する】今日の相場解説 (2024.11.11)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2024-11-11
ページ制作日: 2024-11-11
NY金価格の動向
米国大統領選挙の結果、トランプ大統領が誕生した後の金価格の動きについて見てみましょう。まず、NY金のチャートを確認します。
NY金先物(日足)
前回の記事で触れたように、NY金価格は7月末に52日移動平均線(MA)を下回った後、これ以降は、52日移動平均線を割ることなく推移していましたが、先週ついに接触し、一時的に割れる場面がありました。
ただし、その日は反発し、26日MAまで戻して取引を終了しました。しかし、金曜日は11ドル安で引け、26日MAを突破して終了することはありませんでした。なお、9日MAは引き続き下向きの状態です。
今年の安値である2月14日の1,996.4ドルから、10月30日の高値2,801.8ドルまでの上昇に対するフィボナッチ・リトレースメントを用いると、重要な水準は次の通りです。
現在の安値は11月7日の2,650.3ドルであり、38.2%のリトレースメントである「2,494.1ドル」までは達していません。一方、マニアックな数値である23.6%のリトレースメントは2,610ドルであり、現在の位置から40.3ドル下にあります。以下、主要な水準を再掲します。
- 38.2%リトレースメント: 2,494.1ドル
- 50.0%リトレースメント: 2,399.1ドル
- 61.8%リトレースメント: 2,304.1ドル
現在は、52日MA(2660.6ドル)、26日MA(2712.8ドル)の中間に価格(2675.9ドル)は維持しています。
NY金先物(週足)
7月以降、緑色の9週移動平均線(MA)が短期的な支持線として機能している点が見て取れますが、現在、価格が9週MAを割り込んできています。
9週MAの割れは、短期投資家やトレーダーにとって売りシグナルとして作用する場合があります。
特に短期指標を重視するトレーダーにとって、移動平均線の割れはポジション整理や新規売りのきっかけとなりやすいです。
これは、市場にさらなる売り圧力を加える要因となり、価格の下落を加速させることもあります。
NY金先物(日足)
NY金先物(週足)
週足でこれまで転換線がしっかりサポートとして機能してきましたが、現在の価格がその転換線を下回るかどうかが注目されます。
現在の転換線の水準は2,658ドルであり、週末の終値は2,694.8ドルです。先週の安値は2,650.3ドルで、今週この水準を割り込むような展開になる場合、次に意識されるポイントとして基準線2,553ドルがターゲットとなってきます。
さらに、ここまで価格が下がると、38.2%のリトレースメント水準である2,494.1ドルも市場の焦点となるでしょう。
特にドル建てのCFDなどを取引されている方にとって、今週の動きは非常に重要です。大きな相場の流れが変わる可能性がある場合、ポジションや戦略の見直しが必要です。市場の動向に注視しながら、適切な対応を検討することが重要です。
国内金価格の動向
金標準先物(日足)
10月31日に史上最高値を記録した後、金価格は下落傾向を維持しています。高値・安値の動きを時系列で以下のようにまとめます。
- 10/31 高値: 13,819円 / 安値: 13,683円
- 11/1 高値: 13,715円(↓) / 安値: 13,433円(↓)
- 11/5 高値: 13,595円(↓) / 安値: 13,386円(↓)
- 11/6 高値: 13,642円(↑) / 安値: 13,395円(↑)
- 11/7 高値: 13,595円(↓) / 安値: 13,196円(↓)
- 11/8 高値: 13,412円(↑) / 安値: 13,221円(↑)
※矢印は前日の価格と比較して上回った場合は「↑」、下回った場合は「↓」として示しています。
国内金価格の下値目標やテクニカルポイントについては過去のアーカイブをご覧いただくことで詳細を確認できます。
また、日々の価格動向を分析する際、YouTube動画内でも繰り返しお伝えしているポイントは、前日の高値を上抜いているかどうか、前日の安値を下回っているかどうかです。
この日々の流れをチェックすることが重要です。単純な作業ではありますが、このような基礎的な分析を怠り、値頃感や思惑に基づいて取引する市場参加者が多いのも現実です。
トレンドが強い場合は高値の更新を続け、主要な安値を割り込むことはありません。逆にトレンドが弱い場合はその逆の動きが見られるはずです。
ドル円(日足)
こちらのドル円日足チャートは、典型的なわかりやすいパターンを示しています。
7月以降の円高局面では、昨年12月から続いていた流れが明確に変化しました。このトレンドの変化に気づけるかどうかが、その後の運命の分かれ道と言えるでしょう。
テクニカル分析の観点から見ると、パラボリック、MACD、トレンドライン、中短期移動平均線、短長期移動平均線、中長期移動平均線といったインジケーターの順にシグナルが発生しているのが確認できます。
これらの指標を総合的に活用することで、トレンド転換の兆しを早期に捉えることができます。
遅くとも7月末の155円割れの時点で、トレンドの変化を認識することが重要でした。これを押し目と考えて対応した場合、9月にかけて非常に厳しい局面を迎えた可能性があります。
そして今月に入り、ようやく155円レベル近辺まで戻ってきましたが、5月から7月にかけて円安と判断し、ポジションを保持し続けている方にとっては、依然として厳しい状況が続いています。
金標準先物(日足)
こちらのチャートを同じ期間の金標準先物チャートです。
現在の金価格は注目すべき重要なポイントに来ています。以前からお伝えしていた10月28日の安値13,309円を割り込んだことで、9月から続いていた上昇トレンドの中で初めて「主要な直近安値」を割り込みました。
このような重要な価格を割り込んだ際にどのように対応するのかが問われる局面です。その「ある価格」の一つが13,309円であり、ここを割ったことで次のテクニカルプライスの水準へ向けた動きが出てくる可能性があります。
主要な直近安値とは?
金標準先物(日足)
「直近の高値を形成する起点となる安値」は、トレンドの確認において非常に重要なポイントです。
特に、各高値が形成される前に確認された安値は、サポートラインとして機能し、トレンドの方向性を見極める基準となります。これらの安値を割り込むと、上昇トレンドが弱まるシグナルとして捉えることができます。
一方で、価格がこれらの安値を維持しつつ新たな高値を更新する場合、トレンドが継続していることを示します。
トレンドの変化を見極めるためには、これらの重要な安値と高値をしっかりと把握し、日々の価格動向を継続的に確認することが不可欠です。このプロセスが、トレンドの転換点や相場の勢いを正確に理解するための鍵となります。
この8月6日安値(10,804円)から10月31日高値(13,819円)の上昇幅(3,015円)のフィボナッチから計算されるテクニカルプライスは下記の通りです。
- 38.2%ダウン:12,667円
- 50.0%ダウン:12,312円
- 61.8%ダウン:11,956円
現在の13,250円付近から見れば「このような価格が本当に出るのか?」と驚くかもしれませんが、下げが継続する場合、これらの水準に到達する可能性も視野に入れる必要があります。
前回の記事で触れた重要な2つのテクニカルプライス(「13,167円」と「13,137円」)での攻防が、今週の最大の注目ポイントとなるでしょう。
市場全体が大きな変化を迎える可能性がある中、「柔らか頭」での対応が求められる時期が来ていることを改めて認識しておきましょう。
情報サイト「マーケットEye」は、当社のお客様向けに投資に役立つ情報を提供するサイトですが、一般の投資家の皆様にもお楽しみいただけるオープンコンテンツもご用意しています。
さらに、2週間の体験キャンペーンでは全てのコンテンツをご覧いただけますので、お気軽にお申し込みください。
この記事が役立ったらシェアをお願いします!
Tweet※tradingview社のチャートを利用しています。
- ご注意ください。
-
当サイトの情報は各アナリストがテクニカル分析に基づき作成したもので、相場の動向を保証するものではありません。
売買に際しての最終判断はあくまでもご自身でご決定ください。 商品関連市場デリバティブ取引及び商品先物取引は元本や利益が保証されるものではなく、 価格の変動により場合によっては委託証拠金の額を上回る損失が生じることもあります。 為替、日経平均株価の分析は、商品市場分析の参考データとしてご提供しております。 当社では、外国為替証拠金取引及び日経平均指数先物取引の取り扱いはしておりません。
なお、予告なしに内容が変更又は、廃止される場合がありますのであらかじめご了承ください。
お取引の際は事前に 重要開示事項 等を十分ご理解のうえ、ご自身の判断で行なって頂けますようお願い申し上げます。