【GOLDトレンド転換の兆し? 注目価格を分析】今日の相場解説 (2024.11.05)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2024-11-05
ページ制作日: 2024-11-05
GOLD市場に変化の兆し
10月31日と11月1日は休載となり、申し訳ございませんでした。この2日間でGOLD市場に大きな動きがありました。
最終更新日の10月30日には、GOLDの動向について以下のような予測を記載しておりました。詳細はアーカイブをご覧いただけますが、ここでその内容を簡単にまとめました。
高値を更新し続けている金価格の上値目標となるテクニカルプライスを以下にまとめます。
フィボナッチの拡張ライン(7/17高値12679円~8/6安値10804円の下落幅1,875円に対して)
- 1.618倍:13,838円
- 1.764倍:14,112円
- 2倍:14,554円
N計算値
- 10,804円・12,603円・12,112円からのN計算値:13,911円
- 8,661円・12,679円・10,804円からのN計算値:14,822円
目標価格を順に並べると以下の通りです。
- 13,838円
- 13,911円
- 14,112円
- 14,554円
- 14,822円
30日の最高値は13,780円ですので、次の目標としてはフィボナッチ1.618倍にあたる「13,838円」が意識されていると考えられます。この価格を突破するかが今後の注目ポイントとなります。
一方で、下落が始まる場合には、まず前日安値を3日連続で割れるかどうか、さらに短期指標のサポートを割り込むかが重要なポイントとなります。 また、本日Yahoo!のトップニュースにも「金が1キロ1,500万円を超えた」と取り上げられていますが、現在の価格は大きく乖離している分、変動幅も非常に大きくなる可能性があることを理解し、慎重なポジション管理が必要です。
10月30日に掲載した記事の内容です。
現在、価格は13,450円前後で推移しています。本日も前日安値を2日連続で割り込んでいますが、前日高値の更新は2日連続で見られておりません。
また、短期指標としては、9日移動平均線が現在13,545円、一目均衡表の転換線が13,547円となっており、これら短期指標を下回る状態が続いています。
なお、10月30日の記事で触れていた中で、まだ未達成となっているのは「3日連続での前日安値割れが発生していない」という点です。
金標準先物(日足)
金標準先物(日足)
短期指標である9日移動平均線および一目均衡表の転換線を下回るのは、9月半ばから続いていた上昇局面において初めての状況であり、明らかな変化の兆しが見られます。
一方、ニューヨーク金先物(COMEX)の価格は、11月1日時点で2,746.2ドルとなっています。
NY金先物(日足)
NY金先物(日足)
現在のNYの金価格は、2営業日前から短期指標を割り込んでおり、9日移動平均線も右肩下がりに転じています。また、昨夜の高値はこの9日移動平均線で抵抗を受けており、売り圧力が強まっている状況が見受けられます。
このような環境下で、投資家心理には以下のようなパターンが想定されます。
- 積極派:「この下落は絶好の押し目買いのチャンスだ」と考え、買いの姿勢を保つ。
- 慎重派:「あれ?これはややリスクが高い状況では?」と疑念を抱き、慎重な姿勢を見せる。
- 積極派:「ついに来た!ここで売りを仕掛けるチャンスだ」と意欲を見せる。
- 慎重派:「過去にも同様の場面で痛い目にあっているので、まだ様子見をした方が良さそうだ」と慎重に構える。
いずれの思考も市場参加者としては自然なものです。
どの選択が「正解」かは誰にもわかりませんが、売買ルールを設定している方は、感情を排してルールに基づいた取引を行うことが望ましいでしょう。
ただ、実際にはルール通りに取引できない方が多いのも事実です。
今朝、相談室にご連絡いただいた方からのコメントを紹介させていただきます。
先週の上値テクニカルプライス13,838円に対して、19円手前で失速し、10月31日の安値13,683円を割れた時点で複数の買い玉を決済できたとのことでした。
おかげで本日の続落においても、上手くポジション管理ができたとおっしゃっていただきました。3日連続の前日安値割れや短期指標の割れを待たず、ご自身の売買ルールに従って柔軟に対応されたようです。
判断の際、役立った要因の一つとして、「ヤフートップニュースでGOLDが取り上げられ、現在の価格が大きく乖離しているため、変動幅が非常に大きくなる可能性があることを理解し、慎重なポジション管理が必要です。」という10月30日の記事の内容が、
背中を押してくれたとも言っていただきました。
記事を書く立場として、このようなお言葉をいただけるのは大変嬉しく、今後も皆様に役立つ情報を提供できるよう努めてまいります。
テクニカルプライスと重要サポート水準を確認
現在の状況を考えると、ここまでの上昇リズムに変化が生じており、下値のテクニカルプライスを見積もる必要があります。以下に各上昇局面に対する調整価格を示します。
直近の短期指標まで下げた局面
10月9日:12,454円 → 10月31日:13,819円(上昇幅:1,365円)
- 38.2%ダウン:13,298円
- 50.0%ダウン:13,137円
- 61.8%ダウン:12,975円
10月1日:12,112円 → 10月31日:13,819円(上昇幅:1,707円)
- 38.2%ダウン:13,167円
- 50.0%ダウン:12,966円
- 61.8%ダウン:12,764円
9月9日:11,421円 → 10月31日:13,819円(上昇幅:2,398円)
- 38.2%ダウン:12,903円
- 50.0%ダウン:12,620円
- 61.8%ダウン:12,337円
8月6日:10,804円 → 10月31日:13,819円(上昇幅:3,015円)
- 38.2%ダウン:12,667円
- 50.0%ダウン:12,312円
- 61.8%ダウン:11,956円
それでは恒例の並べ替えでどの価格帯にテクニカルプライスが密集しているのか確認して見ましょう。
- 13298円
- 13167円 ☆
- 13137円 ☆
- 12975円
- 12966円
- 12903円
- 12764円 ■(記事の最後もご参考に!)
- 12667円 ◇
- 12620円 ◇
- 12337円
- 12312円
- 11956円
(あくまでもフィボナッチから見た価格です。その他の要素も考慮する必要があります)
上昇局面でも同様に、これらのテクニカルプライスを掲載していましたが、「そこまで価格が上昇するはずはない」と思われた方も多かったのではないでしょうか。
前回もお伝えした通り、たとえるなら「鹿児島中央駅から新幹線に乗り、新大阪で降りる予定だったが、居心地が良かったため京都、名古屋、横浜、品川、東京、上野…とそのまま上昇トレンドに乗り続けた」という状況でした。
もし大宮で止まり、折り返しが始まるのであれば、今度は下りの新幹線に乗り換える必要があります。
今夜は米国大統領選挙が控えており、GOLDをはじめ、株式や為替市場にも明日、大きな変動が予想されます。特に、GOLD価格が3日連続で前日安値を割り込んだり、移動平均線の傾きに変化が生じる場合、これまでの相場観を大きく転換する可能性が高まります。 買い方の積極派、売り方の積極派のいずれも、市場の動向が自身の予想と異なる場合、迅速な対応が求められます。そのため、逆指値注文などのリスク管理策を事前に設定し、急な市場変動に備えることが重要です。
最後に金の週足を見ておきましょう
金標準先物(週足)
現在、8週連続陽線が終了するかにも注目が集まっています。特に、先週の安値である13,309円は重要な価格帯として意識しておきたいポイントです。
また、9週移動平均線(12755円)は、以下の調整水準に近い値となっています。
10月9日 12,454円 → 10月31日 13,819円の上昇(1,365円の上昇)
- 76.4%ダウン:12,766円
10月1日 12,112円 → 10月31日 13,819円の上昇(1,707円の上昇)
- 61.8%ダウン:12,764円
これらの価格帯は、下げが継続する場合に非常に重要な支持水準として考えられます。
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