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チャートパターン分析(フォーメーション分析)チャートパターン分析(フォーメーション分析)とは

チャートパターン分析(フォーメーション分析)

トレンドが反転、もしくは継続する際には、多くの場合「保ち合い期間」が存在します。
その保ち合い期間の動きのパターンから、その後の値動きを予測しようとするのがパターン分析です。

パターン分析(フォーメーション分析)とは

トレンドの反転、もしくは継続の際に出現する「保ち合い期間」のパターンから相場の動きを予測する。


チャートを見ていると特徴的な同じような動きを見つけられるよね。そのパターンから相場を予測しようとするテクニカル手法だね。



チャートの形成にはトレーダーの心理が大きな影響を与えており、この心理はある程度不変であるため、同じような形状が繰り返される傾向があります。



保ち合いパターンには、横ばいトレンドに突入する前のトレンドと逆方向に動く「リバーサル・フォーメーション」と横ばいトレンドに突入する前のトレンドと同じ方向に動く「コンティニュー・フォーメーション」があります。 「リバーサル・フォーメーション」は、天井と底で出現するパターン、「コンティニュー・フォーメーション」は、トレンドの途中に出現するパターンです。

リバーサル・フォーメーションとコンティニュー・フォーメーション

チャートパターンに関する注意点

天・底パターンを形成するためには、上昇・下降いづれかのトレンドが存在しています。この方向性を正しく認識してください。
天・底パターンが完成しトレンドが反転する時の最初のサインは、往々にしてトレンドラインのブレイクとなります。このため、トレンドラインの知識を十分に理解していおいてください。
横ばいトレンドの期間が長ければ長いほど、あるいは値幅が大きければ大きいほど、パターンが完成した後の相場の値動きも大きくなります。
「天井三日・底値百日」の相場格言にもあるように、天井形成パターンは期間が短く、底形成パターンは時間がかかる傾向にあります。

チャートパターンの例

代表的なリバーサル・フォーメーション
代表的なリバーサル・フォーメーション

リバーサル・フォーメーション(Reversal Formation)は、価格チャート上で形成される特定のパターンで、通常は現在のトレンドの転換を示すものです。リバーサル・フォーメーションは、価格の変動が逆転する可能性が高いことを示唆し、トレンドの終了や逆転ポイントを予測するためにテクニカル分析が使用される一部の手法です。


ヘッドアンドショルダー(Head and Shoulders): 上昇トレンドの終了や下降トレンドの転換を示すパターンで、ヘッド(中央の高値)と左右のショルダー(小高値)から構成されます。

ヘッド&ショルダーズ


ダブルボトム・ダブルトップ(Double Bottom / Double Top): トレンドの転換を示すパターンで、トップまたはボトムが2つ形成されることを特徴とします。

ダブルボトム


ソーサーボトム・ソーサートップ(Saucer Bottom / Saucer Top): 「ソーサー」(カップや茶碗などの底部が湾曲している形状)のような曲線を描く形状を持ち、なだらかな価格の変動からトレンド転換の可能性を示唆するものです。

ソーサーボトム


ラインボトム・ライントップ(Line Bottom / Line Top): 価格が一時的に水平な範囲で推移するチャートパターンで推移し、トレンド転換の可能性を示唆するものです。

ラインボトム

スパイクボトム・スパイクトップ(Spike Bottom / Spike Top): 、価格が急激に一時的な底・天井をつけ、その後、急速な反転をするパターンを指します。市場の急激な変動や過度の売買圧力を示すものであり、トレンドの逆転の可能性を示唆しています。

スパイクボトム


ヘッド&ショルダーやダブルボトム・ダブルトップは、パターン分析の中でも聞いたことがある有名なパターンだよね。



ヘッド&ショルダーは、日本古来のテクニカル分析である酒田五法でも「三尊天井」・「逆三尊底」と呼ばれて天底パターンとして有名だよ。


代表的なコンティニュー・フォーメーション
代表的なコンティニュー・フォーメーション

コンティニュー・フォーメーション(Continuation Formation)は、価格チャート上で形成される特定のパターンで、通常は現在のトレンドが一時的な休息後に再び継続することを示唆するものです。コンティニュー・フォーメーションは、トレンドの継続を示すものであり、価格が一時的な調整や整理を行った後に元のトレンドが再開する可能性が高いことを示します。

トライアングル(Triangle): 価格が上昇や下降するトレンドの中で一時的な整理段階を示すパターンで、価格が収束して三角形の形状を作ります。トライアングルが解消されるとトレンドが再開されることがあります。

ペナント(Pennant): 急激な価格変動(上昇または下降)があった後に、価格が狭い範囲で短期間に収束して三角形の形状を作るパターンです。一般的には、短期的なもので、ブレイクアウトが起こりやすいとされています。

フラッグ(Flag): トレンドの一時的な休息を示すパターンで、価格が上昇または下降した後に狭い範囲で水平に動く形状です。フラッグの形成後、トレンドが再開することがあります。

ウェッジ(Wedge): 上昇トレンドや下降トレンドが継続することを示すパターンで、価格が斜めに収束する形状です。ウェッジの上下のラインが収束する箇所でトレンドが再開されることがあります。


トライアングルの実例
トライアングル(コンティニュー・フォーメーション)

上記のチャートは、ドル円の上昇トレンド中に形成されたトライアングル(Triangle)です。横ばいトレンドに突入する前のトレンドと横ばいトレンド後のトレンドが同じ方向に動いていますので、「コンティニュー・フォーメーション」となります。

高値が切り下がり、安値が切り上がる「対称トライアングル(Symmetrical Triangle)」と呼ばれる形状は、一般的にトレンドの方向性が不明確であり、価格がトライアングルの中で収束していることを示しています。

このパターンは、価格の振れ幅が狭まり、取引範囲が収縮するため、市場が次の大きな動きに向けてエネルギーをためている兆候です。 対称トライアングルは、価格がトライアングルの上下どちらかにブレイク(突破)することで解消されます。ブレイクアウトの方向性は予測が難しく、どちらの方向にもブレイクする可能性があるため、トレーダーは慎重になる必要があります。ただし、ブレイクアウトが発生すると、通常、価格が急激に動くことがあり、トレーダーにとって取引の機会が生まれます。 この対称トライアングルパターンは、トレンドの転換点を示すことがあるため、トレンドの不確実性が高まるときに注目されます。トレーダーは、ブレイクアウト後にトレンドの方向性を確認し、それに応じてトレード戦略を調整することが重要です。


いわゆる「三角保ち合い」の形状になります。三角保ち合いには「だまし」と呼ばれるブレイクした後に逆方向に動くことがあります。「だまし」が発生して逆方向にブレイクした場合は、通常よりも大きく動く可能性がありますので注意してください。



三角保ち合いのブレイク後は大きく動く可能が高いので、予想が外れた時は撤退(損切り)の判断をした方がいいかもね。



ヘッドアンドショルダー

ヘッドアンドショルダーの形状

パターン分析では、そのパターンを覚えるのではなく「パターンを形成する過程」をしっかりと理解することが大切です。ここでは「リバーサル・フォーメーション」 の代表的なパターンであるヘッドアンドショルダーの形成過程についてご紹介します。


ヘッドアンドショルダーの形成(1)
ヘッドアンドショルダーの形状1

ヘッドアンドショルダーも、他の「リバーサル・フォーメーション」と同様にパターン形成前に上昇、下降いづれかのトレンドが存在しています。 上昇トレンドとは、高値と安値が連続して切り上げる動きであり、①のようなトレンドラインと②のようなチャネルラインを引くことができます。


ヘッドアンドショルダーの形成(2)
ヘッドアンドショルダーの形状2

トレンド転換の兆しとして①のトレンドラインを割り込む動きがでてきます。

トレンドの弱化: 上昇トレンドラインを割り込むことは、トレンドの弱化を示す可能性があります。これは、過去に価格がトレンドラインに対して支持を示していたが、現在はその支持が減少していることを示す兆候です。

トレンドの転換: 上昇トレンドラインを割り込む場合、下降トレンドへの転換が起こる可能性があります。価格がトレンドラインを下抜けすることで、上昇圧力が減少し、売り圧力が強まることを示唆します。


ヘッドアンドショルダーの形成(3)
ヘッドアンドショルダーの形状3

前回の安値である「B地点」のラインにサポートされて「E地点」まで反発します。この反発は「A地点」までか、もしくはCからDまでの下落の2分の1から3分の2の値幅になることが多いです。

前回の安値の重要性: 前回の安値は、市場参加者が価格を「安い」と判断したポイントを示しています。そのため、価格が再び前回の安値に近づくと、多くのトレーダーが再び価格をサポートしようとする可能性が高まります。

価格の反発とサポートの確認: 前回の安値に価格が接近すると、市場参加者が安値付近で買い意欲を示し、価格が反発することがよくあります。これにより、前回の安値がサポートラインとして機能していることが確認されます。


ヘッドアンドショルダーの形成(4)
ヘッドアンドショルダーの形状4

「E地点」から再び下落し始め、前回、サポートされた「B地点」と「D地点」のサポートラインを割り込んで下落してきました。このサポートラインのことをネックラインと呼び、ネックラインを割り込むことでヘッドアンドショルダの形状が完成したと判断します。 ネックラインを割り込んだ後に、再びネックラインの「G地点」まで反発することが多くあります。売買としては「G地点」まで上がった後にネックラインを再び超えることなく下落し始めたタイミングで、戻り売りを仕掛けるのが良いとされています。

サポートとレジスタンスの反転は、しばしばトレンドの転換を示す重要なシグナルとなります。サポートがレジスタンスに変わる場合、下降トレンドが転換して上昇トレンドに変わる可能性があり、逆にレジスタンスがサポートに変わる場合は、上昇トレンドが転換して下降トレンドに変わる可能性があります。


ロールリバーサルの詳細はこちら サポートとレジスタンスの反転「ロールリバーサル」とは

ヘッドアンドショルダーの形成(5)
ヘッドアンドショルダーの形状5

このように「サポートとレジスタンスの反転」(Support and Resistance Flipping)というチャートの特性からヘッドアンドショルダーの形成について説明することができます。


上昇チャネルラインが下降チャネルラインに転換する時は、自然にヘッド&ショルダーの形状になるということだね。



このようにパターン分析の形状は、投資家の心理で説明できることが多いです。それぞれのパターンが形成される投資家心理を考えるのはトレードスキルの向上に結び付くとおもいますよ。


パターン分析を実践で使う

パターン分析だけでなく、すべてのテクニカル分析に言えることですが、他のテクニカル指標やファンダメンタル分析と組み合わせて判断し、可能な限り確実性を高めてからトレードを行いましょう。
また、パターンが異なる時間軸でも同時に確認される場合、そのパターンの信頼性が高まる可能性があります。複数の時間軸での分析を行い、一致するシグナルを見つけることで、トレードの方向性を確認することができます。 チャートのパターン分析は経験とトレーニングが必要です。過去のチャートを分析し、パターンの認識とトレード戦略の構築に時間をかけることで、スキルを向上させることができます。


tradingview社のチャートを利用しています。


執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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