【ビットコインの適正価格を探る新たなステージ】今日の相場解説 (2024.11.12)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2024-11-12
ページ制作日: 2024-11-12
ビットコインの価格高騰
大統領選挙戦で「米国を世界の暗号資産大国にする」との方針を打ち出していたトランプ元大領領が大統領に返り咲いたことで 暗号資産の規制緩和や産業育成が進むことへの期待が高まっています。 また、暗号資産を積極的に支持するイーロン・マスク氏が政権に加わるのではないかとの観測も広がり、 ビットコインが過去最高値を大幅に更新しています。
ビットコイン(日足)
さらに、2024年1月に「ビットコイン現物ETF」が承認されたことは、暗号資産市場にとって極めて重要な動きです。
この動きは、かつて「金の上場投資信託(ETF)」が導入された際の状況と類似しています。
金現物とビットコインはともに取引コストが高く、一般投資家にとってポートフォリオに組み入れるハードルが高いものでしたが、ETFとして上場されることで、これらの資産が一般的な金融商品と同じように取引しやすくなります。結果として、投資の容易さが大幅に向上するのです。
金のETF化に伴い、CalPERS(カリフォルニア州公務員退職制度)をはじめとする機関投資家からの資金流入が見られたように、ビットコイン現物ETFの承認によっても、大手金融機関であるJPモルガンなどがビットコインをポートフォリオに組み込む動きを始めています。
これにより、暗号資産市場への本格的な資金流入が期待され、相場全体の流動性や安定性が向上すると見られています。
金ETFの影響についてはこちらをご覧ください。
一方で、日本国内では暗号資産を投資対象とするETFの取り扱いが承認されていませんが、国民民主党の「玉木雄一郎代表」が、当選時の公約として暗号資産(仮想通貨)税制の改革を掲げており、現行の雑所得扱いを分離課税20%に引き下げることを主張しています。
このような改革が実現すれば、日本国内の暗号資産市場の成長が期待され、個人投資家にとってのアクセスがさらに広がることが予測されます。
ビットコインの適正価格は?
現在のビットコイン市場は、適正な価格を模索しながら上値を試している状況にあります。では、ビットコインの適正な価格は一体いくらなのでしょうか?
これは投資家や市場の見解によって大きく異なります。中にはビットコインを一時的な流行や「無価値」な存在と見なす人もいれば、10年後にはその価値が「10倍以上」になると期待する人もいます。現在の時点でビットコインの適正な価格を正確に知ることはできません。
適正な価格を見極める過程は、多くの投資家が市場に参加し、それぞれの意見を交わすことで形成されていきます。これが相場の仕組みであり、市場の合意によって価格が決まっていくのです。歴史的に見ても、市場が適正価格を探りながら大きく変動することは、ビットコインに限らず、多くの商品相場で見られます。
ビットコイン(週足)
例えば、2007年から2008年にかけて、「WTI原油価格」は50ドルの水準から過去最高値である「147.27ドル」まで急騰しました。
この背景には、BRICSを代表とする新興国の急速な経済成長により、原油需要が急増し、資源争奪戦が勃発したことがあります。供給が需要に追い付かないのではないかとの懸念から原油価格は急騰しました。
価格が上がる中で、需要が減少し、最終的に需給のバランスが取れた価格帯が適正価格とされます。
WTI原油(週足)
一方で、原油価格は2008年のサブプライムローン問題を発端とする世界的な経済不況の影響で、原油需要が急激に減少しました。
それに伴い、価格は上昇から一転して下値を探る動きとなり、約半年の間に150ドルから40ドルという大幅な急落を見せました。
この急変動は、供給が需要を大きく上回り、需給バランスが崩れた結果として市場が新たな均衡点を模索する過程でした。
原油市場はこのように、短期間で大きな上値と下値を試し、最終的に適正価格を探るという過程を経ました。
市場の中で需要と供給が大きく変動する際、価格の急騰や急落を繰り返しながら、参加者全体で価格のバランスが取れる水準を見つけ出していきます。
このような動きは、他の市場にも共通する特性であり、ビットコインのような新しい資産においても同様の動きを見せていると考えられます。
市場は投資家の意見が交わり、適正価格を求めるプロセスを繰り返していくのです。
市場は極端な上値や下値を試すことにより適正価格を見出していく
上値をためすビットコイン
適正価格を探る過程では、上値も下値も過剰に動くケースがしばしば見られます。過剰な価格変動が生じる背景には、市場参加者の心理が大きく影響しています。特に、投資家の恐怖や欲望が極端に働く局面では、価格が本来の需給を反映しない形で動きやすくなります。 これにより、相場は一時的に行き過ぎる形で動くことが多く、その後、時間をかけて本来の均衡点へと収束していくことになります。価格が過剰に動く局面では、投資機会やリスクが一層大きくなるため、慎重な取引が求められます。
ビットコイン(週足)
現在、ビットコインはエリオット波動の5波目の上昇過程にあると考えられます。 過去の1波の上昇幅は「16,339ドル」であり、3波の上昇幅は「48,874ドル」に達しました。これは1波に対して「約2.99倍」、ほぼ3倍の上昇幅であり、強いトレンドを示しています。 5波がどこまで伸びるかが今後の焦点となるでしょう。
ビットコイン(週足)
現状、5波目は3波の「0.786倍」である「87,992ドル」付近まで上昇しており、ここが重要なレジスタンスラインとなる可能性があります。
このレベルを明確に突破した場合、次のターゲットとして3波の「1倍」である「98,451ドル」がテクニカル的に意識されると考えられます。
98,000ドルは、心理的節目である「100,000ドル」にも近接しているため、上値目標として市場参加者に注目されやすい価格帯です。
100,000ドルという心理的な節目に向けた市場の期待感や買い注文の増加が見られる一方で、この付近では利食い売りの圧力が高まる可能性もあります。市場の流動性や投資家のポジション動向を注視することが求められます。
本日の相場解説
商品相場では、需給バランスが大きく崩れる局面が訪れると、市場は新たな適正価格を探るため、極端な値動きを示すことがあります。
このような状況では、上限や下限を試す動きが見られ、価格が急激に上昇または下落することがしばしばです。現在のビットコイン市場も、適正価格を探る過程の一環として上値を試している状況にあると考えられます。
こうした急激な価格変動は時に「バブル」と表現されることもありますが、市場の適正価格を決定するための重要なメカニズムの一部でもあります。
価格の極端な動きの背後には、投機的な動きや市場参加者の強い期待感、さらには心理的な要素が影響していることが多いです。
しかし、最終的には需給バランスが再び安定し、新たな適正価格帯が形成されることで、市場全体が安定へと向かうことが期待されます。
このように、市場が極端な動きを見せる際には、適正価格を探るための重要な動きとして受け止めつつ、慎重な取引を行うことが求められます。相場の流れを見極め、トレンドに乗る姿勢を持つことで、大きなリスクを避けながら市場の変化に対応することができるでしょう。
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