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今日の相場解説【中東情勢を受けた原油相場の動き】今日の相場解説 (2024.10.09)デイリーマーケットレビュー


最終更新日: 2024-10-10

ページ制作日: 2024-10-09

今日の相場解説

中東情勢を受けた原油相場の動き

本日ピックアップするのは原油です。
昨日取り上げたGOLD同様、原油も中東情勢の影響を強く受けやすい銘柄です。昨年10月にガザ地区で戦闘が開始されてから、NY原油相場は次のような動きを見せています。


NY原油(日足)
NY原油チャート


「あれ?」と思った方も多いのではないでしょうか。2023年10月にガザ地区で戦闘が始まり、10月半ばまでは原油価格が上昇しましたが、12月にかけては大きく値下がりしています。 昨日掲載したNY金の同時期の動きは、以下の通りです。


NY金(日足)

NY金チャート

NY金は、2023年10月6日の安値を底に、2024年9月26日まで上昇を続けています。
一方で、NY原油の動きをもう少し過去に遡り、2023年1月からの動きを見てみると…


NY原油(日足)
NY原油チャート

5月~7月のレンジ内の安値から9月末にかけて上昇していたことが分かるかと思います。では同じ時期のNY金はどうなのか?


NY金(日足)
NY金チャート

NY金は2023年5月に高値を付け、その後2023年10月6日までに値を下げています。この動きは、原油と金が逆相関の関係にあることを示しており、現在もその傾向が継続していることが確認できます。
材料的な面から考えると、過去の教科書的な考え方では「中東情勢の緊迫化や地政学的リスクの高まりで、金も原油も上がるはずだ」と考えるかもしれません。しかし、実際の動きは違います。

原油相場の材料として考えられる要素を挙げると、以下のようなものがあります。

  • OPECの方針(供給面)
  • 世界経済の状況(需要面)
  • 地政学的リスク(供給面)
  • 投資対象としての人気度(金や株、為替との関係)

これらの要因が複雑に絡み合い、原油の動きに影響を与えています。

昨日のGOLDの記事でも触れましたが、一つの材料に固執しすぎると、大きな過ちを犯す可能性が高まります。その過ちは、すなわち「損失」を意味します。
原油にしてもGOLDにしても、御覧の通り、トレンドが明確に発生している時期があります。

原油に関しては、当社が取り扱うドバイ原油を取引されている方もいれば、CFDをご利用中の方もいらっしゃるかと思います。そこで、今後のポイントについて、海外・国内両方の視点からチェックしていきたいと思います。


NY原油(日足)
NY原油チャート

昨夜の高値78.46ドルが目先の戻りのポイントとなっています。4月12日の高値87.67ドルから9月10日の安値65.27ドルまでの下げ幅に対して、次の黄金比率が確認されています。

  • 38.2%戻し=73.8ドル
  • 50.0%戻し=76.5ドル
  • 61.8%戻し=79.1ドル

昨夜は61.8%戻しの手前で失速し、終値は38.2%戻し付近に留まりました。
イスラム組織ヒズボラがレバノンで停戦に向けた動きを見せたことが上値を削る要因となり、その高値が61.8%戻しの水準に重なったため、テクニカル的にも売りが殺到し、大きな陰線が出現しました。
RSIも4月の高水準以降、70ポイントを超えることはなく、相場の過熱感や勢いが強まる兆しも見られません。 これにより、NY原油に関しては、昨夜の値動きや指標を踏まえると、今夜続落するようであれば昨夜の高値が重要なポイントとなった可能性が高まります。

一方で、イスラエルがイランに対して反撃を計画しているという報道は上昇の支援要因となり得ます。
仮に石油関連施設や核施設が攻撃された場合、原油市場に強烈なインパクトを与える可能性も残っています。
ただし、そこまでの大規模な攻撃はないという報道もあり、もし小規模な攻撃にとどまる場合、買い方が期待しているような大きな動きが見られない場合には、失望売り(あえて言えば)による大幅な下落が発生する可能性もあります。


国内ドバイ原油(日足)
ドバイ原油チャート

国内市場でも、昨日の高値70,670円が重要なポイントになる可能性があります。 7月4日の高値84,120円から9月12日の安値58,120円までの下げ幅に対する戻りの黄金比率は次の通りです。

  • 38.2%戻し=68,050円
  • 50.0%戻し=71,120円
  • 61.8%戻し=74,190円

この数値を見れば、50%戻しの手前で失速したことがわかります(NY原油は61.8%戻し手前で失速)。
国内と海外の戻り幅に違いがあるのは、為替の影響も考えられますが、共通しているのは「黄金比率の価格が意識されていること」です。 また、RSIの過熱感を確認する際の見方も、同様のアプローチが可能です。

さらに、国内市場では8月14日と8月16日の同値W高値である71,340円が上値の抵抗として控えています。 そのため、さらなる上昇を期待するには、50%戻しの71,120円とW高値71,340円という2つのテクニカルプライスを突破しなければなりません。
これを条件に、今後のポジションを考えることができるでしょう。





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執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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