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ボリンジャーバンドとはボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、1980年台にアメリカの投資家「ジョン・ボリンジャー」によって考案されたテクニカル分析です。
ボリンジャーバンドは、過去の値動きの変動幅(ボラティリティ)を上下2本のラインで示唆しています。それによりトレンドの発生や転換を予想します。

ボリンジャーバンドの構成
ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドの構成

ボリンジャーバンドは、3つのラインで構成されています。
中央のライン(ミッドバンド)は、一般的には20日間の単純移動平均線を表します。
上部のバンド(上部ボリンジャーバンド)は、中央のラインから2つの標準偏差(+1α・+2α)を加えたものです。
下部のバンド(下部ボリンジャーバンド)は、中央のラインから2つの標準偏差(-1α・-2α)を引いたものです。

標準偏差とは
標準偏差(Standard Deviation)は、データのばらつきを表す指標で、通常、平均値(平均)からの距離を測るために使用されます。標準偏差の+1σ(プラス1シグマ)と+2σ(プラス2シグマ)の関係は、正規分布(ガウス分布)と呼ばれる統計分布において特に重要です。

±1σは、平均値から標準偏差の1倍分だけ上方向に離れた位置を示します。
正規分布において、±1σの範囲に含まれるデータポイントの割合は約68.3%です。つまり、データの約68.3%が平均から±1σ以内に位置しています。

±2σは、平均値から標準偏差の2倍分だけ上方向に離れた位置を示します。
正規分布において、±2σの範囲に含まれるデータポイントの割合は約95.5%です。つまり、データの約95.5%が平均から±2σ以内に位置しています。

正規分布

ボリンジャーバンドは、過去20日の価格動向から現在価格が±1σ内に収まる確率が68.3%であり、±2σ内に収まる確率が95.5%であることを示唆しています。


ボリンジャーバンド幅の形状

ボリンジャーバンド幅は、ボリンジャーバンドの上部バンドと下部バンドの間の距離を指します。この幅がどのように変動するかによって、市場の状況や価格の変動性を評価することができます。

ボリンジャーバンド幅の形状

①スクイーズ:ボリンジャーバンド幅が狭くなり、バンドが平行な状態です、スクイーズは、価格の変動性が低下していることを示し、市場が横ばい状態にある可能性が高いことを示唆します。

②エクスパンション:ボリンジャーバンド幅が広がることをエクスパンションと呼びます。エクスパンションは、価格の変動性が高まっていることを示し、市場がトレンド方向に動いている可能性が高いことを示唆します。

③バンドウォーク:±2σのバンドに沿って価格が上昇・下落する現象のことです。バンドウォークは強いトレンドが発生していることを示唆しています。

ボリンジャーバンドを使ったトレード

逆張り手法
ボリンジャーバンドを使ったトレード(逆張り)

ボリンジャーバンド幅が、ある程度広く平行である時に±2σで逆張りのポジションを取る方法があります。これは±2σの中に95.5%の確率で収まるというボリンジャーバンドの性質を利用したものです。


順張り手法
ボリンジャーバンドを使ったトレード(順張り)

スクイーズから±2σに価格がタッチする状況は、新たなトレンドの発生を示唆しています。この場合はブレイクした方向に順張りのポジションを取るのが良いとされています。

ボラティリティの急増: スクイーズ状態は、通常、市場のボラティリティ(価格の変動性)が低下していることを示します。これは、市場が一時的に価格の変動を抑えていることを意味します。(価格変動のエネルギーを蓄えている状態)一般的に、ボラティリティが低い期間の後に、価格が急激に変動することがよくあります。

レンジブレイクの可能性:ボラティリティが低下しているスクイーズの状態で±2σにタッチする値動きは、レジスタンスラインやサポートラインをブレイクしている可能性が高いことを意味します。

ボリンジャーバンドは、バンドの状況によって逆張りと順張りの相反するシグナルとなります。バンドがどういう状態にあるのかということをよく見極めることが重要です。


ボリンジャーバンドの形状

ボリンジャーバンドのスクィーズという状況はボラティリティが低下し保ち合いが続いていることを示唆します。その状態から±2αにタッチするということは抵抗線や支持線をブレイクしたことと同義となりますので、トレンドの発生の可能性が高いということになります。


±2αで逆張りというトレードではトレンドに逆らう可能性がありますので危険なトレードになりますね。

ボリンジャーバンドの形状


ボリンジャーバンドの失敗パターン

ボリンジャーバンドの失敗パターン1
ボリンジャーバンドの失敗パターン2

ボリンジャーバンドは、過去20日の価格動向から現在価格が±2σ内に収まる確率が95.5%であるというテクニカル指標ですので、逆張りの指標として使いがちですが、バンドの形状を無視して逆張りすると失敗するケースがありますので注意してください。


ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせた売買方法のご紹介はこちら

相対力指数(RSI)とボリジャーバンドを組み合わせた戦略 相対力指数(RSI)とボリジャーバンドを組み合わせた戦略


ボリンジャーバンドの活用方法

相場はレンジ相場とトレンド相場が交互に現れるものです。レンジ相場ではボラティリティが低下し、トレンド相場に入るとボラティリティが増加します。
ボリンジャーバンドはこのようなボラティリティの変動を視覚的に明確に示します。

特に、「スクイーズ」と呼ばれる現象は、バンドの幅が狭まり、価格が限定された範囲内で動いている時に見られます。これは、市場が新たな動きに備えてエネルギーを蓄えている状態を示しています。 スクイーズが長期間続くほど、その後に発生する可能性のあるトレンドの動きは大きくなることが多いです。

ボリンジャーバンドの「スクイーズ」から「バンドウォーク」への遷移を見極めることができれば、明確なトレンドの発生を捉え、大きな利益を得るチャンスがあります。 「スクイーズ」は市場のエネルギーが蓄積されている状態を示し、「バンドウォーク」はそのエネルギーが解放されて価格がバンドの上限または下限に沿って大きく動くことを意味します。

この変化を捉えることで、トレンドに乗ることが可能となり、それにより大きな利益を期待できるのです。


ボリンジャーバンドの有効活用


ボリンジャーバンドの変化を捉えることが重要なんだね



ボリンジャーバンドはボラティリティの変化に注目することで、トレンドが発生する前にトレンドが発生する可能性を示唆してくれます。有効に活用したいですね。




tradingview社のチャートを利用しています。


執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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