ボリンジャーバンドとは
最終更新日: 2024-10-04
ページ制作日: 2023-08-22
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、1980年台にアメリカの投資家「ジョン・ボリンジャー」によって考案されたテクニカル分析です。
ボリンジャーバンドは、過去の値動きの変動幅(ボラティリティ)を上下2本のラインで示唆しています。それによりトレンドの発生や転換を予想します。
ボリンジャーバンドの構成
ボリンジャーバンドの構成
ボリンジャーバンドは、3つのラインで構成されています。
中央のライン(ミッドバンド)は、一般的には20日間の単純移動平均線を表します。
上部のバンド(上部ボリンジャーバンド)は、中央のラインから2つの標準偏差(+1α・+2α)を加えたものです。
下部のバンド(下部ボリンジャーバンド)は、中央のラインから2つの標準偏差(-1α・-2α)を引いたものです。
標準偏差とは
標準偏差(Standard Deviation)は、データのばらつきを表す指標で、通常、平均値(平均)からの距離を測るために使用されます。標準偏差の+1σ(プラス1シグマ)と+2σ(プラス2シグマ)の関係は、正規分布(ガウス分布)と呼ばれる統計分布において特に重要です。±1σは、平均値から標準偏差の1倍分だけ上方向に離れた位置を示します。
正規分布において、±1σの範囲に含まれるデータポイントの割合は約68.3%です。つまり、データの約68.3%が平均から±1σ以内に位置しています。
±2σは、平均値から標準偏差の2倍分だけ上方向に離れた位置を示します。
正規分布において、±2σの範囲に含まれるデータポイントの割合は約95.5%です。つまり、データの約95.5%が平均から±2σ以内に位置しています。
ボリンジャーバンドは、価格が±1σ内に収まる確率が68.3%、±2σ内に収まる確率が95.5%であることを示します。
ボリンジャーバンド幅の形状
ボリンジャーバンド幅は、ボリンジャーバンドの上部バンドと下部バンドの間の距離を指します。この幅がどのように変動するかによって、市場の状況や価格の変動性を評価することができます。
①スクイーズ:ボリンジャーバンド幅が狭くなり、バンドが平行な状態です、スクイーズは、価格の変動性が低下していることを示し、市場が横ばい状態にある可能性が高いことを示唆します。
②エクスパンション:ボリンジャーバンド幅が広がることをエクスパンションと呼びます。エクスパンションは、価格の変動性が高まっていることを示し、市場がトレンド方向に動いている可能性が高いことを示唆します。
③バンドウォーク:±2σのバンドに沿って価格が上昇・下落する現象のことです。バンドウォークは強いトレンドが発生していることを示唆しています。
ボリンジャーバンドを使ったトレード
逆張り手法
ボリンジャーバンドは、±2σの範囲内に価格が95.5%の確率で収まるという統計的性質を持っています。この性質を利用して、バンド幅が広く平行である場合に、±2σのラインで逆張りのポジションを取る手法です。
この状況は、相場がレンジ相場にあることを示唆しており、価格が上下動を繰り返しながらバンド内で推移することが期待できます。したがって、±2σのラインに価格が達した際に、反転を狙った取引が有利となります。
ただし、ボリンジャーバンドの幅が狭くなってきた場合は注意が必要です。これは、エネルギーが蓄積され、トレンドが発生する前兆である可能性があるためです。
このような局面では、逆張りの手法を控え、トレンドの発生に備えて順張りの戦略を採用することが推奨されます。
順張り手法
スクイーズ状態から価格が±2σにタッチする状況は、相場に新たなトレンドが発生する兆候とされています。
この場合、価格がバンドをブレイクした方向に順張りのポジションを取ることが有効です。スクイーズとは、ボリンジャーバンドが狭まり、市場のボラティリティ(価格の変動性)が低下している状態を指します。
この状態では、相場が一時的に動きを抑えてエネルギーを蓄えていると考えられます。スクイーズの後、ボラティリティが急増し、価格が急激に動き出すことがよくあるため、この変化に対応することが重要です。
価格が±2σにタッチする場合、ボラティリティの急増がトレンドの始まりを示していることが多く、これはレジスタンスラインやサポートラインの突破(レンジブレイク)が発生している可能性を意味します。
そのため、この状況ではブレイクした方向に順張りのポジションを取ることで、相場の変動に乗ることができます。
この手法は、相場が長いレンジ相場を終え、新たなトレンドが形成されるタイミングを捉えるための有効な戦略です。
ボリンジャーバンドは、バンドの状況によって逆張りと順張りの相反するシグナルとなります。
ボリンジャーバンドのスクィーズという状況はボラティリティが低下し保ち合いが続いていることを示唆します。その状態から±2αにタッチするということは抵抗線や支持線をブレイクしたことと同義となりますので、トレンドの発生の可能性が高いということになります。
±2αで逆張りというトレードではトレンドに逆らう可能性がありますので危険なトレードになりますね。
ボリンジャーバンドの失敗パターン
ボリンジャーバンドは、過去20日の価格動向から現在価格が±2σ内に収まる確率が95.5%であるというテクニカル指標ですので、逆張りの指標として使いがちですが、バンドの形状を無視して逆張りすると失敗するケースがありますので注意してください。
ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせた売買方法のご紹介はこちら
相対力指数(RSI)とボリジャーバンドを組み合わせた戦略ボリンジャーバンドの活用方法
相場はレンジ相場とトレンド相場が交互に現れるものです。レンジ相場ではボラティリティが低下し、トレンド相場に入るとボラティリティが増加します。
ボリンジャーバンドはこのようなボラティリティの変動を視覚的に明確に示します。
特に、「スクイーズ」と呼ばれる現象は、バンドの幅が狭まり、価格が限定された範囲内で動いている時に見られます。これは、市場が新たな動きに備えてエネルギーを蓄えている状態を示しています。
スクイーズが長期間続くほど、その後に発生する可能性のあるトレンドの動きは大きくなることが多いです。
ボリンジャーバンドの「スクイーズ」から「バンドウォーク」への遷移を見極めることができれば、明確なトレンドの発生を捉え、大きな利益を得るチャンスがあります。
「スクイーズ」は市場のエネルギーが蓄積されている状態を示し、「バンドウォーク」はそのエネルギーが解放されて価格がバンドの上限または下限に沿って大きく動くことを意味します。
この変化を捉えることで、トレンドに乗ることが可能となり、それにより大きな利益を期待できるのです。
ボリンジャーバンドの変化を捉えることが重要なんだね
ボリンジャーバンドはボラティリティの変化に注目することで、トレンドが発生する前にトレンドが発生する可能性を示唆してくれます。有効に活用したいですね。
※tradingview社のチャートを利用しています。
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