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PIVOT(ピボット)とは?PIVOT(ピボット)とは?

PIVOT(ピボット)

RSIやパラボリックの開発者であるJ・W・ワイルダー氏によって開発された分析方法です。
「PIVOT(ピボット)」は、主にサポートとレジスタンスのレベルを特定するためのテクニカル分析ツールや手法を指します。ピボットポイントを使用することで、トレンドの変換点や価格の反転を識別し、取引の参考点となるサポートおよびレジスタンスの水準を把握することができます。
PIVOTは、前日の値動きを元に当日の価格変動を予測する短期売買向け(デイトレード)の分析になります。

PIVOT(ピボット)
ピボットとは

ピボットポイントは、以下の2つの役割を果たします。

  • サポートラインやレジスタンスラインとしての役割
  • 相場はピボットポイント周辺で反発またはブレイクアウトする傾向があります。 ピボットポイントより上は買い手優勢、下は売り手優勢と解釈できます。

  • トレンドの方向性や勢いを判断する役割
  • ピボットポイントを大きく上回ったり、下回ったりすると、トレンドの方向性や勢いが強まっていると判断できます。


ピボットの計算式
ピボットの計算式

ピボットの計算式

ピボット=(前日の高値+前日の安値+前日の終値)÷3
R1=ピボット+(ピボット-前日の安値)
S1=ピボット-(前日の高値-ピボット)
R2=ピボット+(前日の高値-前日の安値)
S2=ピボット-(前日の高値-前日の安値)
R3=R1+(前日の高値-前日の安値)
S3=S1-(前日の高値-前日の安値)

ピボットポイントは通常、前日の価格(前日の高値、安値、終値)を基に計算されます。つまり、当日や前日以前の価格情報は一切考慮されません。この計算方法では、特にデイ・トレーダーが翌日の取引で参照するサポートとレジスタンスの水準を見つけるために使用されます。

また、ピボットポイントは、計算式が明確に定義されているため、誰が計算しても同じ数字が出ます。これは、ピボットポイントの大きなメリットの一つです。同じ期間の同じ価格データを使用する限り、異なるトレーダーが同じ数字を得ることが期待されます。この特性により、異なるトレーダーや分析者が同じ基準を使用して相場のサポートとレジスタンスの水準を評価でき、市場の共通の参照点となります。


ピボットポイントの使い方
トレンドの把握

価格がピボットポイントを上回ると、上昇トレンドの可能性が高まります。また、価格がピボットポイントを下回ると、下降トレンドの可能性が高まります。


サポートラインとして

「S1」及び「S2」はピボットポイントから計算されるサポート(支持)の水準を指します。これらのサポートレベルは、トレンドが下降している場合に価格が反転して上昇する可能性があり、トレーダーはこれを利用してエントリーや利益確定、損切りのポイントを考えることができます。


レジスタンスラインとして

「R1」及び「R2」はピボットポイントから計算されるレジスタンス(抵抗)の水準を指します。これらのレジスタンスレベルは、トレンドが上昇している場合に価格が反転して下落する可能性があり、トレーダーはこれを利用してエントリーや利益確定、損切りのポイントを考えることができます。


下落トレンドの形成

S2はサポートラインであり、通常は価格がS2ラインで反発し、上昇に転換する可能性があります。しかし、「S3ブレイク」は、S2ラインを下抜けた後、さらに下落が続いたことを意味します。S3ブレイクは、すでに下落トレンドが形成されていることを示唆しています。


上昇トレンドの形成

R2はレジスタンスラインであり、通常は価格がR2ラインで反発し、下落に転換する可能性があります。しかし、「R3ブレイク」は、R2ラインを上抜けた後、さらに上昇が続いたことを意味します。R3ブレイクは、すでに上昇トレンドが形成されていることを示唆しています。


ピボットポイントを利用する利点と注意点

PIVOTの利点

  • 誰でも同じ数字が出せる: 計算式が明確なので、誰が計算しても同じ結果になります。
  • 使いやすい: 複雑な計算や特別な知識がなくても、誰でも簡単に利用できます。
  • 客観的な分析が可能: 誰が使っても同じ数字が出るので、客観性の高い分析ができます。

PIVOTの注意点

  • ピボットポイントはあくまでも指標であり、必ずしも正しい判断を導き出すとは限りません。
  • 他の指標やチャートパターンなどと組み合わせて用いることで、より正確な判断を行うことができます。
  • ピボットポイントは前日の高値、安値、終値のみを参照した指標で、短期的なトレンドやサポート・レジスタンスの水準を評価するのに有用です。しかし、中長期のトレンドや価格の動向を理解するためには他のテクニカル指標やファンダメンタル分析も考慮する必要があります。


tradingview社のチャートを利用しています。


執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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