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PIVOT(ピボット)

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PIVOT(ピボット)とは?PIVOT(ピボット)とは?

最終更新日: 2025-06-03

ページ制作日: 2024-02-01

PIVOT(ピボット)

RSIやパラボリックの開発者であるJ・W・ワイルダー氏によって開発された分析方法です。
「PIVOT(ピボット)」は、主にサポートとレジスタンスのレベルを特定するためのテクニカル分析ツールや手法を指します。ピボットポイントを使用することで、トレンドの変換点や価格の反転を識別し、取引の参考点となるサポートおよびレジスタンスの水準を把握することができます。
PIVOTは、前日の値動きを元に当日の価格変動を予測する短期売買向け(デイトレード)の分析になります。

PIVOT(ピボット)
ピボットとは

ピボットポイントは、以下の2つの役割を果たします。

  • サポートラインやレジスタンスラインとしての役割
  • 相場はピボットポイント周辺で反発またはブレイクアウトする傾向があります。 ピボットポイントより上は買い手優勢、下は売り手優勢と解釈できます。

  • トレンドの方向性や勢いを判断する役割
  • ピボットポイントを大きく上回ったり、下回ったりすると、トレンドの方向性や勢いが強まっていると判断できます。


ピボットの計算式


ピボットの計算式

ピボットの計算式

ピボット=(前日の高値+前日の安値+前日の終値)÷3
R1=ピボット+(ピボット-前日の安値)
S1=ピボット-(前日の高値-ピボット)
R2=ピボット+(前日の高値-前日の安値)
S2=ピボット-(前日の高値-前日の安値)
R3=R1+(前日の高値-前日の安値)
S3=S1-(前日の高値-前日の安値)

ピボットポイントは通常、前日の価格(前日の高値、安値、終値)を基に計算されます。つまり、当日や前日以前の価格情報は一切考慮されません。この計算方法では、特にデイ・トレーダーが翌日の取引で参照するサポートとレジスタンスの水準を見つけるために使用されます。

また、ピボットポイントは、計算式が明確に定義されているため、誰が計算しても同じ数字が出ます。これは、ピボットポイントの大きなメリットの一つです。同じ期間の同じ価格データを使用する限り、異なるトレーダーが同じ数字を得ることが期待されます。この特性により、異なるトレーダーや分析者が同じ基準を使用して相場のサポートとレジスタンスの水準を評価でき、市場の共通の参照点となります。


ピボットポイントの使い方


トレンドの把握

価格が「ピボットポイント」を上回ると、上昇トレンドの可能性が高まります。また、価格が「ピボットポイント」を下回ると、下降トレンドの可能性が高まります。


サポートラインとして

「S1」及び「S2」はピボットポイントから計算されるサポート(支持)の水準を指します。これらのサポートレベルは、トレンドが下降している場合に価格が反転して上昇する可能性があり、トレーダーはこれを利用してエントリーや利益確定、損切りのポイントを考えることができます。


レジスタンスラインとして

「R1」及び「R2」はピボットポイントから計算されるレジスタンス(抵抗)の水準を指します。これらのレジスタンスレベルは、トレンドが上昇している場合に価格が反転して下落する可能性があり、トレーダーはこれを利用してエントリーや利益確定、損切りのポイントを考えることができます。


下落トレンドの形成

S2はサポートラインであり、通常は価格がS2ラインで反発し、上昇に転換する可能性があります。しかし、「S3ブレイク」は、S2ラインを下抜けた後、さらに下落が続いたことを意味します。S3ブレイクは、すでに下落トレンドが形成されていることを示唆しています。


上昇トレンドの形成

R2はレジスタンスラインであり、通常は価格がR2ラインで反発し、下落に転換する可能性があります。しかし、「R3ブレイク」は、R2ラインを上抜けた後、さらに上昇が続いたことを意味します。R3ブレイクは、すでに上昇トレンドが形成されていることを示唆しています。



ピボットポイントを利用する利点と注意点

PIVOTの利点
  • 誰でも同じ数字が出せる
  • ピボットポイントは、前日の「高値」「安値」「終値」の3つを使って一定の計算式で求めるため、誰が計算しても必ず同じ結果になります。 これは、インジケーターによって見解が分かれやすい他の指標と異なり、再現性と一貫性のある分析が可能であることを意味します。

  • 使いやすくシンプル
  • ピボットの計算方法は非常に単純で、特別なプログラムやツールを使わなくても手計算や簡単なエクセルシートで算出できます。 そのため、初心者でも直感的に使いやすいのが特徴です。また、一般的なチャートソフトにはピボットラインが自動で表示される機能もあるため、テクニカル指標に不慣れな人でも取り入れやすいです。

  • 客観的な分析ができる
  • 主観や経験に左右されやすいチャートパターン認識やライン引きと違い、ピボットは誰が見ても同じ価格帯がサポート・レジスタンスとして意識されるため、より客観的な分析に適しています。 実際に多くのトレーダーが参照しているため、実需や短期筋の売買注文が集まりやすいポイントとなりやすい傾向があります。

PIVOTの注意点
  • 絶対的なものではない
  • ピボットポイントはあくまで「テクニカル指標のひとつ」であり、相場の未来を予言するものではありません。 一部の相場環境ではピボットが機能しない場合も多く、ラインを抜けてもすぐに戻ってくる「ダマシ」も頻繁に起こります。したがって、過信せず参考水準のひとつとして扱う姿勢が重要です。

  • 他の指標との組み合わせが前提
  • ピボットは価格水準を示すだけであり、「買いシグナル」や「売りシグナル」を明確に出してくれるわけではありません。 そのため、RSIやMACD、移動平均線、チャートパターンなど他のテクニカルと併用することで、より精度の高いトレード判断が可能になります。単独での利用では判断根拠が弱くなる傾向があります。

  • 過去データ(前日)に依存する指標
  • ピボットは前日の高値・安値・終値をベースにしているため、突発的な材料やギャップアップ/ダウンを伴う相場には対応しづらいという弱点があります。 特に、ファンダメンタルの変化や重要イベント(経済指標発表、地政学リスクなど)で急変する相場では、ピボットがほとんど機能しないケースもあります。

  • 中長期分析には不向き
  • ピボットは日中取引における価格帯(当日内のサポート・レジスタンス)を把握するには有効ですが、中期・長期のトレンドやマーケット全体の潮流を分析するには不十分です。 より広い時間軸でのトレンド判断には、移動平均線、ボリンジャーバンド、ダウ理論、さらにはファンダメンタル要因なども総合的に考慮する必要があります。

tradingview社のチャートを利用しています。


執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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