【WTI原油の週足分析:上昇トレンドとサポートライン】今日の相場解説 (2025.01.22)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2025-01-22
ページ制作日: 2025-01-22

トランプ政権が発足
トランプ大統領の就任により、関税政策に注目が集まる中、もう一つの重要な転換がエネルギー政策です。
トランプ大統領はエネルギーに関する国家非常事態を宣言し、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱に関する大統領令に署名しました。また、過剰な規制を撤廃し、米国の石油・ガス生産を最大化する包括的な計画を発表しています。
これにより、米国のエネルギー政策は、化石燃料からの移行を推進してきたバイデン前政権の方針から大きく転換することになります。
今日の解説は「原油」です。
本日は、これに関連する原油相場の動向について詳しく解説していきます。
WTI原油価格(月足)
.jpg)
トランプ政権時代の原油相場は、バイデン政権時代と比べて比較的安定しており、WTI原油価格は50ドルから高くても76ドル台で推移していました。
ただし、2020年4月には新型コロナウイルスによる需要減少や協調減産協議の決裂を受け、原油価格が史上初のマイナスを記録するという異常事態が発生しました。この急落を除けば、全体的には一定の範囲内で推移していました。
一方、バイデン政権時代になると、トランプ政権時代の高値であった水準が安値サポートとして機能するようになり、原油価格の基調が大きく変化しました。
今回、トランプ大統領は米国産石油や天然ガスの増産を打ち出しました。その背景には、エネルギー価格を引き下げることでインフレの抑制を図り、経済を活性化させたい意向があります。
また、バイデン前政権が進めた電気自動車の普及政策の撤回を明言し、「脱炭素」路線からの転換を鮮明にしました。
さらに、「国家エネルギー緊急事態」を宣言し、「米国産石油や天然ガスを掘り続ける」として、前政権時代に起きた技術革新「シェール革命」の第二幕を演出しようとしています。
このような政策方針が続く限り、トランプ政権のエネルギー政策は増産を基本路線とすると考えられます。このため、原油相場の動向を注視することが重要です。特に政策が市場に与える影響や、需給バランスの変化に注意が必要です。
WTI原油価格(週足)
.jpg)
以前から注目していたWTI原油価格の週足チャートにおける「三角保ち合い」は、2025年1月10日に上方ブレイクを果たし、80ドルまで一気に上昇しました。この動きは、トレンドの転換を示唆する重要なシグナルといえます。
ブレイク後は、一時的に調整が進んでいます。この調整局面は、利益確定の売りや一部市場参加者による慎重な動きが影響している可能性があります。
しかし、三角保ち合いの上抜けによる強気の地合いは依然として続いている状況です。
WTI原油価格(日足)
.jpg)
WTI原油の日足チャートでは、1月13日に下落トレンドラインを上方ブレイクし、1月15日には2024年8月12日の高値80.16ドルを上回る動きを見せました。
この時点で、一時的に上昇トレンドへの転換が期待されましたが、直後に反落し、再び下降トレンドラインを割り込んだことで、上昇トレンドが継続しているとは言えない状況になっています。
2024年4月12日高値からの下降トレンドラインを超えたものの、昨年4月から87.67ドルから65.27ドルまでの下げ幅の61.8%戻し水準である79.11ドルを終値でしっかり維持できず、高値80.77ドルを付けた翌日には大きく下落しました。
この79.11ドルを超えたのはわずか1日のみで、翌日以降の下落により再度下降トレンドラインを割り込み、上昇の勢いが完全に失速しています。
さらに、1月15日時点のRSI(相対力指数)は70ポイントを超えており、これは昨年4月以来の70ポイント超えとなりました。
しかし、この動きも一時的で、70ポイントを超えた直後に割り込み、その後も再び70ポイントを超えることなく下落に転じています。このようなRSIの動きは、相場が天井をつける際にしばしば見られる特徴的な現象です。
また、トランプ大統領がエネルギー政策について強気の発言を行ったことで、一時的に市場心理を刺激しましたが、その後の発言内容が原油価格の下落を後押しする形となり、さらなる反落の要因となっています。
WTI原油価格(日足)
.jpg)
2024年11月18日の安値66.53ドルと2025年1月15日の高値80.77ドルを基にフィボナッチリトレースメントを計算すると、以下の水準が導き出されます。
- 23.6%戻し:77.41ドル
- 38.2%戻し:75.33ドル
- 50.0%戻し:73.65ドル
- 61.8%戻し:71.97ドル
- 76.4%戻し:69.89ドル
現在の価格は38.2%戻しの75.33ドル付近で推移しており、この水準で揉み合いを続けています。この価格帯は短期的なサポートとして意識される一方、さらなる下落があった場合、50.0%戻しの73.65ドルが次の重要なサポートとなる可能性があります。 特に「73.65ドル」は過去の価格帯でも揉み合いが確認されており、強い支持線として機能することが期待されます。
国内原油価格
ドバイ原油価格(日足)
.jpg)
国内ドバイ原油価格は、前回の記事でボリンジャーバンドの「バンドウォーク」が継続している点に注目しましたが、昨日の動きで+1シグマを割り込み、バンドウォークは終了しました。
本日も前日安値を割り込み、前日高値を上回ることができない展開が続いており、相場は弱含みの形状を見せています。
RSI(相対力指数)もこれまでの70ポイント超えの水準から下降に転じており、買い方にとって期待された上昇の勢いは失速しました。買い方が、バンドウォークの継続とRSIの高水準維持による「モンスター相場」を期待していた中、この展開は期待外れといえます。バンドウォークの終了はトレンドの転換を示唆することが多く、現在の動きは調整局面の入り口である可能性が高まっています。
注目すべきは、「ミドルバンド」である移動平均線近辺での攻防です。このラインを割り込むと、本格的な下落トレンドに入る可能性があります。一方で、+1シグマを再び上抜ける場合は、上昇トレンドの再開につながるシグナルとして注目されます。
ドバイ原油価格(日足)
2024年12月9日の安値63,800円から2025年1月14日の高値74,630円までの上昇幅を基に計算したフィボナッチリトレースメントの黄金比率価格は以下の通りです。
- 23.6%戻し:72,070円
- 38.2%戻し:70,490円
- 50.0%戻し:69,220円
- 61.8%戻し:67,940円
- 76.4%戻し:66,360円
現在の動きは38.2%戻しの70,490円をターゲットとして推移している可能性があります。 さらに下落が進んだ場合は、半値戻しとなる「69,220円付近」は過去の抵抗帯として意識されてきた価格帯であり、今後は強力な支持線として機能する可能性が高いと考えられます。この価格帯での反発が見られれば、再び上昇トレンドへの転換が期待されるでしょう。
今日の相場解説
本日の原油市場では、トランプ大統領が就任し、米国産原油の増産を公約していることから、今年の供給過剰見通しが根強く、これが相場を圧迫しています。石油輸出国機構(OPEC)プラスが引き続き供給制限を続けているものの、世界最大級の産油国である米国で増産が続くと、供給過剰のリスクが高まる懸念があります。 一方で、トランプ大統領がメキシコやカナダからの輸入品全てに対し、2月1日から25%の関税を賦課する計画を発表したことや、「米国はベネズエラからの石油購入をおそらく止めるべきだ」との発言が、原油価格の下支え要因として作用しています。また、トランプ政権下でも戦略石油備蓄(SPR)の補充が続く見通しであり、これも市場に一定の安心感を与えています。 ただし、市場は、カナダ産原油が世界最大の輸入先である米国が、カナダ産の原油に対して関税を賦課する可能性は低いと見ています。このため、トランプ大統領の政策がどのように具体化するかについて、引き続き注視が必要です。
売買のポイントWTI原油価格(週足)
.jpg)
売買のポイントとしては、WTI原油の週足チャートで下降トレンドラインを上抜けたという事実を重視するのが一般的です。
この動きは、長期的なトレンド転換の可能性を示唆しており、現在の相場は一時的な調整局面に入っているものの、押し目買いのタイミングを見極めることが重要となります。
WTI原油の週足では、2024年11月18日の安値66.53ドルから2025年1月15日の高値80.77ドルまでの上昇幅を基に計算すると、半値戻しの価格は「73.65ドル」となります。
さらに、下降トレンドラインの延長線上における来週の価格も「73.70ドル付近」に位置しており、この水準が非常に重要なサポートゾーンになると考えられます。
この水準まで下落した場合、買い方にとっては重要な押し目買いのチャンスとなる可能性が高いですが、このサポートを割り込む場合にはさらなる下落リスクも視野に入れる必要があります。
情報サイト「マーケットEye」は、当社のお客様向けに投資に役立つ情報を提供するサイトですが、一般の投資家の皆様にもお楽しみいただけるオープンコンテンツもご用意しています。
さらに、2週間の体験キャンペーンでは全てのコンテンツをご覧いただけますので、お気軽にお申し込みください。
この記事が役立ったらシェアをお願いします!
Tweet※tradingview社のチャートを利用しています。
- ご注意ください。
-
当サイトの情報は各アナリストがテクニカル分析に基づき作成したもので、相場の動向を保証するものではありません。
売買に際しての最終判断はあくまでもご自身でご決定ください。 商品関連市場デリバティブ取引及び商品先物取引は元本や利益が保証されるものではなく、 価格の変動により場合によっては委託証拠金の額を上回る損失が生じることもあります。 為替、日経平均株価の分析は、商品市場分析の参考データとしてご提供しております。 当社では、外国為替証拠金取引及び日経平均指数先物取引の取り扱いはしておりません。
なお、予告なしに内容が変更又は、廃止される場合がありますのであらかじめご了承ください。
お取引の際は事前に 重要開示事項 等を十分ご理解のうえ、ご自身の判断で行なって頂けますようお願い申し上げます。