【米国の株価はバブルなのか?】今日の相場解説 (2024.12.25)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2024-12-25
ページ制作日: 2024-12-25

クリスマスケーキの材料は?
本日はクリスマスですね。ケーキを購入される方も多いかと思いますが、一昔前と比べるとその価格が高くなっていると感じる方も多いのではないでしょうか。原材料価格の高騰がその一因と考えられます。そこで、普段はあまり取り上げない銘柄のチャートを掲載してみました。
穀物週足チャート
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最近ニュースでも取り上げられているように、コーヒーの価格は昨年秋以降に大幅な上昇を見せており、特に今年はその勢いが顕著です。このような価格上昇が、実際に製品価格に影響を与えていることも確認できます。
一方、小麦については、今年に入ってからも低空飛行を続けています。このため、ここ数年上昇し続けていた製品価格が落ち着いてもよいと考えられますが、実際にはケーキやパン、お菓子などの価格は引き続き値上げ傾向にあります。
この値上げがそろそろ止まってほしいという声も多いのではないでしょうか。
国内市場では小麦は上場していませんが、海外市場ではさまざまな農産物が上場し、取引されています。こうした市場動向を知ることで、世界的な供給や需要、価格変動の背景を理解する一助となるでしょう。
また、このグラフが示すように、商品価格は国際的な需給や天候、地政学的リスクに大きく左右されることがあります。今後、商品市場への興味を持ち、価格動向やそれに関連する経済的な背景を学ぶきっかけとしていただければ幸いです。
今日の解説は株価
本日取り上げるのは、約1か月ぶりとなる株価の動きについてです。来年、トランプ大統領が再びアメリカを率いることになれば、経済面においても大きな影響を与える政策が打ち出されると予想されています。
トランプ大統領は選挙期間中、すべての輸入品に10%、または20%、さらに中国製品には60%の関税を課す「基礎的関税」の導入を訴えてきました。現在の加重平均関税率は2.4%であり、これが実現すれば大幅な関税引き上げとなります。
この政策が実現した場合、2026年の消費者物価上昇率は平均水準から4.1~7.4%ポイント押し上げられると予測されています。
トランプ大統領は、バイデン政権下の物価上昇を厳しく批判してきましたが、自らの政策もインフレ抑制に苦労する可能性が高いと考えられます。
一方で、国内の製造業には減税を行うなど「アメリカ第一主義」をさらに強化し、保護主義的な姿勢を鮮明にする可能性があります。
また、トランプ政権時代に導入された個人所得税減税(いわゆるトランプ減税)は2025年末で期限切れを迎えるため、その恒久化を目指す動きも見られるでしょう。
しかし、関税引き上げや減税措置は、インフレ再燃や財政赤字の拡大を引き起こすリスクがあります。トランプ大統領は関税による税収増を主張していますが、関税は最終的に販売価格に転嫁され、インフレの悪化や消費の減退を招く可能性があります。
この結果、インフレと景気後退が同時に発生するスタグフレーションを引き起こす危険性が指摘されています。
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インフレ率は、FRBによる積極的な利上げの効果もあり、ピーク時である2022年の前年比+9.1%から大幅に低下し、現在では前年比2.7%まで改善しています。ただし、FRBが目標とする2.0%には未だ到達しておらず、インフレ抑制の道半ばといえます。
米国のエネルギー政策について
商品市場においては、原油をはじめとするエネルギー分野も注目されています。特に株式市場では、エネルギー関連銘柄の動きが注目ポイントとなっています。
エネルギー・環境政策については、2008年の共和党全国大会(2008年9月1日~4日)で採用されたスローガン「ドリル、ベイビー、ドリル」(どんどん掘って掘りまくれ)が象徴するように、石油や天然ガスの掘削拡大が今後進められる可能性があります。
トランプ大統領が再任された場合、このスローガンを彷彿とさせる政策が再び採用されることも予想されます。
実際に、シェールガスの一大産地である「マーセラス・シェール」(米国北東部の4州:ウエスト・バージニア州、ペンシルベニア州、ニューヨーク州、オハイオ州)へのパイプライン早期認可も公約として掲げられており、エネルギー生産の拡大が計画されています。
この動きは、エネルギー関連銘柄や石油価格に直接的な影響を与える可能性があります。
トランプ大統領はクリーンエネルギー政策に対しては厳しい立場を取っており、電気自動車や再生可能エネルギー分野への優遇措置を廃止する意向を示しています。
これにより、ここ数年注目されてきたクリーンエネルギー関連業種が一気に冷え込む可能性もあります。このような政策転換が、これまでのクリーンエネルギー推進の流れを大きく変える可能性があるため、投資家にとってはリスクとチャンスの両面を考慮する必要があります。
エネルギー政策の行方やそれが市場に与える影響については、引き続き注目していきたいところです。
WTI原油週足チャート
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新型コロナウイルスとウクライナ戦争は、それぞれ異なる形で原油市場に大きな影響を与えました。
新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンや外出制限は、旅行や物流の需要を急激に減少させ、原油需要が大幅に縮小しました。
この需要減少に加え、サウジアラビアとロシアの原油価格戦争が同時期に発生し、原油価格は歴史的な下落を記録。一時的に「マイナス価格」という衝撃的な事態に至り、エネルギー市場全体に混乱をもたらしました。
一方、ウクライナ戦争では、ロシアに対する経済制裁が強化され、特に欧州ではロシア産原油や天然ガスの供給が制限されました。
この影響でエネルギー価格が急騰し、供給不足への懸念が広がりました。特に欧州諸国はエネルギー輸入先の多様化を余儀なくされ、エネルギー市場の不安定性がさらに増幅されました。
このように、新型コロナウイルスは主に需要減少を通じて、ウクライナ戦争は供給制約を通じて、それぞれ原油市場に大きな変動を引き起こしました。
米国はバブルなのか?
米国では、7月の失業率が4.3%に上昇したことで、「サムルール」(直近3カ月間の平均失業率が過去1年の最低値を0.5ポイント以上上回った場合、景気後退の可能性を示唆する指標)に該当し、景気後退への懸念が広がりました。 この状況を受け、7月の雇用統計発表後、8月5日に日本株市場で日経平均株価が4,451.28円の下落幅、下落率12.4%という歴史的な暴落を記録したのは、記憶に新しいところです。
その後の米国では労働市場の底堅さが確認され、これを背景にナスダック総合指数が力強い回復を見せ、過去最高値を更新しています。
ナスダック総合指数月足チャート
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米国市場がバブルであるか否かについては、投資家や専門家の間で意見が分かれるところです。特に、ナスダック総合指数の高水準なPER(株価収益率)は、バブルの兆候として頻繁に議論の的となっています。
比較対象としてよく挙げられるのが、2000年のインターネット・バブルです。当時のナスダック総合指数の「予想PERは48倍」にも達し、明らかに高過ぎるバリュエーションがバブル崩壊の要因となりました。
現在のナスダック総合指数の予想PERは「約35倍」となっており、2000年の水準には達していないものの、歴史的には依然として高い水準にあります。このことが「バブルなのか、それとも成長市場の正常な評価なのか」を巡る議論の焦点となっています。
ナスダック総合指数(ITバブル)
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ITバブル(インターネットバブル)は、1990年代後半から2000年初頭にかけて、インターネット関連企業やテクノロジー株が過剰に評価され、株式市場が異常なまでに高騰した現象を指します。
この時期、多くの企業がインターネットの成長によって収益を拡大すると期待され、実態以上に株価が上昇しました。
ナスダック総合指数は2000年3月に史上最高値を記録し、PER(株価収益率)は48倍に達しましたが、多くの企業が収益を伴わない成長を過大評価されていたことが判明すると、投資家心理が急速に悪化。
2000年3月をピークに株価が急落し、ナスダック総合指数は約2年間でピーク時の約78%を失う結果となりました。
このバブル崩壊により、多くの新興企業が破綻しましたが、一方でAmazonやGoogle(現Alphabet)といった一部の企業は生き残り、その後のテクノロジー業界の基盤を築くこととなりました。
ITバブルは、過剰な期待と市場の過熱が経済にどのような影響を与えるかを象徴する出来事として記憶されています。
個別企業のデータ
ナスダック総合指数の時価総額上位の企業には、ITセクターを中心に、特にエヌビディアを筆頭とするAI関連の銘柄が多く含まれています。以下は主な企業の時価総額や株価収益率(PER)、配当利回りをまとめたデータです。
時価総額上位の企業(2024年12月24日)企業名 | 時価総額 | 株価収益率 (P/E) | 配当利回り | セクター |
---|---|---|---|---|
アップル | 3.9 T USD | 42.54 | 0.39% | 電子技術 |
エヌビディア | 3.43 T USD | 55.23 | 0.02% | 電子技術 |
マイクロソフト | 3.27 T USD | 36.26 | 0.71% | ITサービス |
アマゾン | 2.41 T USD | 49.09 | 0.00% | 小売業 |
アルファベット | 2.41 T USD | 26.01 | 0.21% | ITサービス |
メタ | 1.53 T USD | 28.62 | 0.25% | ITサービス |
テスラ | 1.48 T USD | 126.64 | 0.00% | 耐久消費財 |
ブロードコム | 1.12 T USD | 196.60 | 0.91% | 電子技術 |
コストコ | 425.62 B USD | 56.30 | 0.47% | 小売業 |
ネットフリックス | 398.44 B USD | 52.75 | 0.00% | ITサービス |
ASMLホールディング | 279.86 B USD | 37.72 | 0.79% | 電子技術 |
Tモバイル | 258.8 B USD | 25.41 | 1.28% | 通信 |
PERや配当利回りを見ると、現在の評価は非常に高い水準にあります。
一見すると割高に見えるものの、AIはインターネットやスマートフォン並みに社会に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。将来の収益や成長性を織り込んだ結果と考えれば、こうした高い評価も妥当といえるでしょう。
一方で、投資家にとってはリスクも伴います。AIバブルと呼ばれる一時的な過熱感が収益成長に見合わない場合、大幅な調整が発生する可能性があります。そのため、投資判断を行う際には慎重な分析が求められます。
世界の株価週足
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世界の株価は米国市場の動向に大きく左右され、その影響は日本市場にも及んでいます。米国市場が調整に入れば、日本株も大きな下落を招く可能性があり、市場全体が「小さなくしゃみ」から「風邪」、さらには「インフルエンザ」に例えられるような深刻な影響を受けることもあります。 特に日本市場では、銘柄ごとの強弱が顕著になっており、自動車業界がその代表例です。EV(電気自動車)や自動運転技術への対応が進む企業は高く評価される一方、従来のビジネスモデルに留まる企業は厳しい評価を受けています。 投資家にとっては、今後の米国市場の動向を注視しつつ、日本株においても成長性や競争力のある銘柄を慎重に選別することが重要です。
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