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今日の相場解説【サポートライン維持か急落か:原油市場の転換点】今日の相場解説 (2024.11.19)デイリーマーケットレビュー


最終更新日: 2024-11-20

ページ制作日: 2024-11-19

今日の相場解説

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原油市場の最新動向

本日は原油について書いてみたいと思います。
昨夜のNY原油は69.16ドルで取引を終え、前日比2.14ドル高となりました。 ここ最近のチャートを見ながら、原油の動きを確認してみましょう。


WTI原油先物(日足)
WTI原油日足チャート

  • 9/10 「65.27ドル」
  • 10/ 1 「66.33ドル」
  • 10/29 「66.72ドル」

昨夜11月18日に「66.61ドル」を付けましたが、終値は「69.16ドル」となりました。
9月以降、65ドルから66ドルの水準が現在の岩盤のようなサポートレベルとして機能しています。


WTI原油先物(日足)
WTI原油先物日足チャート

前回の記事で、左ショルダー、ヘッド、右ショルダーの形状が形成されつつあることに触れておりましたが、昨夜は66.61ドルまで下落し、10月29日の安値に並ぶ水準まで達しました。
現在は、以下の情報が影響し価格が回復しています。

バイデン大統領がウクライナに米国製の長距離ミサイルをロシア攻撃に使用することを許可したと伝えられました。また、ウクライナ軍がロシアのインフラ、特に石油関連施設への攻撃を繰り返しており、ウクライナから離れたロシア領内の製油所などが新たな標的となる可能性も報じられています。

米 ウクライナに長距離ミサイル使用許可 近くロシア攻撃か(NHK)

さらに、イギリスやフランスも自国の長距離ミサイルをロシア攻撃に使用することをウクライナに許可したとの報道もあり、ロシアとNATOの全面戦争リスクが意識されました。これに対し、ロシアは「西側諸国の兵器がロシア深部に向けて発射された場合、標的はウクライナではなく許可を与えた国々となる」と発表し、緊張が一層高まったことが昨夜の大幅な切り返しの要因の一つです。

また、ロシアはOPECプラスの影響力を持つ国であり、日量900万バレル規模の生産を行っています。このロシアとの全面戦争が起これば、市場に大きな混乱を引き起こす可能性があります。このような背景から価格が上昇したものの、上値も注目すべき価格で止まっている点には注意が必要です。


WTI原油先物(日足)
WTI原油先物日足チャート

下値が注目価格で止まっていることは確認できますが、上値も細かく見ると9日移動平均線でしっかりと抵抗を受けています。 また、3本の移動平均線はいずれも依然として右肩下がりの状況です。一目均衡表でも価格が雲の下に位置し、基準線や転換線よりも下にあるため、昨日の材料による上昇のみでは、NY原油が転換の動きを見せているとは言えません。



WTI原油先物(日足)
WTI原油先物日足チャート

細かくトレンドラインを引くと、NY原油についてはまず10月8日からの下降トレンドラインを突破する必要があり、さらに3本の移動平均線をクリアすることが求められます。これらの条件をクリアすることで、上昇への転換の兆しと判断することができるでしょう。



WTI原油先物(日足)
WTI原油先物日足チャート


国内市場について見てみると、完全に「BOX相場」となっています。9月から10月初頭にかけての上昇はNY原油と同じ動きを見せましたが、その後、NY原油が大きく下落したにもかかわらず、 国内市場では9月12日の安値58,250円を目指すことはなく、「65,000円付近」が岩盤のような支持層となっています。一方で、上値も「70,000円付近」が非常に厚い抵抗帯となっており、この狭いレンジの動きは、金と比較すると投資妙味が薄いと見られ、手を出しにくい状況です。 ただし、前回の記事でも述べたように、誰にも注目されずに閑散とした銘柄が長期間揉み合うほど、市場参加者のモヤモヤ感が溜まり、それが「放れ」と呼ばれる相場の急変時に大きなエネルギーを発揮して動き出すことがあります。原油相場には年間を通じて特徴的な動きがあり、今のこの状況もそのパターンに当てはまる可能性があることを頭に入れておきたいところです。詳しい内容については、お問い合わせいただければお答えいたします。



WTI原油先物(月足)
WTI原油先物月足チャート


最後にNY原油の月足をご覧ください。

現在の価格帯が2021年以降の最終防波堤であることが見て取れます。この防波堤を割り込むような事態が発生すれば、堰を切ったような急激な動きが見られる可能性もあります。 特に、ロシアとNATOの全面戦争のような事態が生じれば、非常に大きなインパクトを与える動きになる可能性があります。しかし、このような大きな材料があっても、市場が必ずしも教科書通りに動くとは限りません。 その際には、自分の考えや意地を張らず、市場の動きに柔軟に対応しなければ、大きな値幅変動に巻き込まれ、大きな損失を被る可能性があることを心に留めておくべきです。


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tradingview社のチャートを利用しています。

執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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