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今日の相場解説【日経平均株価のアイランドリバーサルと大暴落 】今日の相場解説 (2024.10.11)デイリーマーケットレビュー


最終更新日: 2024-10-11

ページ制作日: 2024-10-11

今日の相場解説

日経平均株価のテクニカル分析

週末金曜日となりました。この週末は3連休ですが、14日(月曜日・祝日)も当社は祝日取引を行います。
対面取引およびオンライン取引の方も、普段通りご注文いただけます。

さて、本日のテーマは「日経平均株価」についてです。日経平均株価は、海外の株式市場や商品市場に影響を与えることが多々あります。 反対に、商品市場の値動きが株式の個別銘柄に影響を及ぼすこともしばしばです。 特に、石油関連、鉱山関連、食料関連、商社など、さまざまな業種の株価に商品市場は影響を与えています。 昔から商品先物取引を利用されている方は、株式投資もされている方が多く、個別銘柄の勉強もよくされていました。

それでは、本題に入りましょう。


日経平均株価(日足)
日経平均株価チャート


今年の株価の動きについてお話しします。1989年大納会でつけた高値を超え、史上最高値を記録したのが今年の日経平均です。 しかし、庶民感覚ではバブル時代のような高揚感が見られず、「なぜ上がるのか?」と疑問に感じた方も多かったのではないでしょうか。 そのため、空売り筋が増え、その踏み上げ(空売りした人たちの決済注文=買い戻し)もあって、株価は2月以降大きく上昇しました。


日経平均株価(日足)
日経平均株価チャート

3月に一度ピークを迎えた後、4月にかけて一時的に下落しましたが、その下げ幅は昨年10月からの上昇幅の38.2%にとどまり、しっかりとサポートされました。

  • 38.2%下落 = 37,037.8円
  • 50.0%下落 = 35,787.0円
  • 61.8%下落 = 34,536.2円

30,487円から41,087円の上昇幅に対する38.2%の下落幅は37,040円ですが、4月19日の安値は36,733円でした。 昨日もお話ししましたが、こうした価格帯が事前にわかっていれば、対応の仕方も様々に考えられるはずです。 そして、その後7月には3月の高値を突破し、7月11日には史上最高値を更新しました。この7月11日には非常に注目すべき出来事が起きています。


日経平均株価(日足)
日経平均株価チャート

上記のチャートは、日経平均株価が現在の最高値である「42,426円」を記録した際の値動きを示しています。
特に、7月11日前後の値動きに注目してご覧ください。この時期の動きには、重要なポイントがいくつも含まれており、投資家にとって見逃せないサインが見られます。


日経平均株価(日足)
日経平均株価チャート

RSIのレベルは3月の水準まで上昇しましたが、さらに注目すべきはその形状です。

7月11日のチャートの形は、まさに【アイランドリバーサル】を形成しています。 アイランドリバーサルとは、相場がトレンド方向に窓を開け、上昇相場なら上方向、下降相場なら下方向に大きく動いた後、再び同じくらいの幅で窓を開け、元の水準に戻ってくるローソク足のパターンです。 この形状が、チャート上で「離れ小島」のように見えるため、アイランドリバーサルと呼ばれています。このパターンは、投資家にとっては非常に注目すべきシグナルです。

アイランドリバーサル

実際、当時の動画放送やマーケットEyeのコンテンツでも、この点を強調していました。 アイランドリバーサルが成立するためには、翌日の動きを確認することが重要です。 そして、その確認ができた後、天井形成から3日後には9日移動平均線を下回り、さらに6日後には26日移動平均線も割り込みます(その時点では9日移動平均線がすでに下向きに転じています)。 さらに8日後には52日移動平均線も下抜け、その後は強烈な下落が続きました。

このように、アイランドリバーサルは非常に強力な転換シグナルであり、その後の相場動きに大きな影響を与えたことが確認できます。


日経平均株価(日足)
日経平均株価チャート

株式投資をされていない方でもご記憶にあるかと思いますが、8月5日、日経平均株価は歴史的な大暴落を記録し、前週末比4,451円28銭(12.4%)安の31,458円42銭で取引を終了しました。 この下落幅は、1987年10月20日のブラックマンデー翌日の3,836円48銭を上回り、過去最大となりました。この歴史的な急落の背景には、「米国景気の先行き不安」や「米ハイテク株の続落」、それに伴うドル安・円高の進行が要因として挙げられています。

ただ、チャート上では7月11日にアイランドリバーサルが出現して以降、下降トレンドが鮮明になっており、7月末の戻りも短期移動平均線に抵抗を受け、8月初めには再び下落に転じました。 また、パニック的な売りが出た8月5日には、RSIが17.67ポイントと非常に低い水準で終了しています。 さらに、この日の安値である31,156円は、2022年3月の安値24,681円から今年の高値42,426円までの上昇幅の61.8%ダウンである31,460円に非常に近い価格帯です。


日経平均株価(週足)
日経平均株価チャート

2023年秋の安値30,487円も考慮すると、テクニカル的に下落を予測していた投資家は、この辺りを下落目標として設定していたはずです。

しかし、それをしていなかった投資家は、恐怖心に駆られ、パニック状態に陥ったことでしょう。某実業家YouTuberも、この下落で3億円以上の不足金が発生したと騒がせた時期がありましたね。 7月の高値からの動きに対して、「下がれば買う」「押し目買い」といった固定観念を持たず、柔軟に対応していれば、全く異なる結果になっていた可能性があります。

ちなみに、7月にピークを迎えた銘柄は以下の通りです。

  • ドル円:7月3日
  • ドバイ原油:7月4日
  • 白金:7月8日
  • 金:7月17日

上記銘柄で7月高値を抜けているのは金のみです。


各銘柄の比較
各銘柄の比較


日経平均株価の今後のポイント

今週からスタートした「今日の相場解説」では、主に大きな流れに焦点を当てましたが、来週からは時間軸を変えた視点でも解説していきますので、ぜひお楽しみにしてください。

最後に、日経平均の直近のポイントとして注目すべき点を挙げます。

  • 9月27日の高値39,829円を突破できるかどうか
  • 短期指標割れが起きるか、また移動平均線(MA)の傾きがどう変化するか
  • 「選挙中は株価は下がらない」とよく言われますが、10月27日の投票日までその動きが続くかどうか
  • 引き続き注視すべき米国株の動き(史上最高値レベル)と、米国も選挙期間中であること

株式市場には多くの材料がありますが、強い材料が出ても反応が薄いこともあります。 株式投資においては、多くの方が様々なシナリオを立ててトレードされているかと思いますが、テクニカル指標、特に今回取り上げたアイランドリバーサルなどは、材料だけでなく前兆を示す重要なサインです。 テクニカル分析も取り入れることで、より良い結果が得られるのではないでしょうか。 なお、株価や為替に関しては、オープンコンテンツ「明日の株価と為替」で日々更新していますので、ぜひ参考にしてください。

朝晩の寒暖差が大きくなってきましたので、体調管理に気をつけて良い週末をお過ごしください。




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執筆者の写真

監修:安村 武彦

国際テクニカルアナリスト連盟・認定テクニカルアナリスト(CFTe)・AFP(日本FP協会認定)
大阪府出身。1987年に商品先物業界に入社。2005年末に業界を離れ、2006年より専業トレーダーとして商品・株式・FXの売買で生計をたてる。個人投資家が相場で勝つためには、投資家目線のアドバイスが必要不可欠と感じ業界へ復帰。真のアドバイザーを目指し現在に至る。個人投資家向けに開催する一目均衡表のセミナーは非常に分かりやすいと好評を得ている。

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