【CPI発表直後に惑わされないためのドル円解説】今日の相場解説 (2024.10.10)デイリーマーケットレビュー
最終更新日: 2024-10-24
ページ制作日: 2024-10-10
CPI発表直後に惑わされないためのドル円解説
連載開始から3日目となり、読者の皆様が増えていることに大変感謝しております。おかげさまで、私自身もますますモチベーションが高まっています。
本日はドル円相場について解説いたします。為替相場は、商品デリバティブ取引を行う上で重要な要素であり、常に注視すべきポイントです。今夜は注目すべきイベントが控えており、為替市場に大きな影響を与える可能性があります。
昨夜公表されたFOMC(連邦公開市場委員会)の議事要旨によると、複数の委員が0.5%ではなく0.25%の利下げを主張していたことが明らかになり、ドル買いの勢いが続きました。これにより、ドル円相場は引き続き注目を集めています。
では、現在のドル円チャートを見ながら、注目すべきポイントを確認していきましょう。
ドル円(日足)
昨夜、ドル円相場は149.36円まで上昇し、8月15日の戻り高値である149.38円にほぼ到達しました。 9月16日の円高レベルを含めると、日柄の観点で見ると左右対称の動きとなっており、俗にいう「美しい形状」となっています。 では、この149.36円のレベルがどのような意味を持つか解説します。7月3日の高値161.94円から139.58円までの下落に対して、以下の黄金比率で戻し幅を確認できます。
- 38.2%戻し = 148.11円
- 50.0%戻し = 150.75円
- 61.8%戻し = 153.39円
これにより、ドル円はすでに自律反発レベルを通過したことがわかります。148円付近で数日間もみ合っていたのは、38.2%戻しレベルが意識されていたためと考えられます。
さらに、チャート上では9月末時点で9日移動平均線(MA)と26日移動平均線(MA)がゴールデンクロスを形成しており、9月25日には移動平均線の傾きが明確に右肩上がりとなっています。
このゴールデンクロスの形状も理想的であり、今後のドル円相場に対するポジティブなシグナルとなり得ます。
また、一目均衡表の観点からも、注目すべきポイントを見てみましょう。
ドル円(日足)
9月25日時点では、一目均衡表の前方に控えている「雲」が注目ポイントとなっています。
この雲が円高派にとって強力な抵抗帯として機能すると見られ、円高を予想する声も多かったでしょう。
そして、皆さんも覚えていると思いますが、9月27日には重要なイベントがありました。
そう、総裁選です。
第一回投票で高市早苗さんがトップに立ち、「高市総理誕生か!」と市場が期待し、一時的に円安が進み、146.48円まで上昇しました。
しかし、決選投票では石破茂さんが勝利し、新総裁=新首相に決定した瞬間、円高へと急転し、ドル円は142.06円まで急落、4.42円もの急激な円高となりました。
また、同時に株価も大幅下落し、夜間取引では先物が急落。
週明けの9月30日月曜日には日経平均が37919.55円となり、前日比で1910.01円もの下落を見せ、「石破ショック」と呼ばれる事態に発展しました。
ドル円も同日141.64円まで円高が進行しましたが、最終的には143.62円で取引を終えています。
本日10月10日時点での日経平均は、記事執筆時点では39,500円前後で、9月30日終値から約1,600円上昇しています。ドル円は現在149.15円で、5円50銭ほど円安となっています。
ここまでの動きに、皆さんはどのように対応されたでしょうか? FX取引で短期売買を中心に行った方は、うまくリズムに乗って収益を得た方もいらっしゃるでしょう。
しかし、まったく逆のポジションを持たれた方は、「往復ビンタ」を何度も喰らい、市場から撤退せざるを得なかったかもしれません。
これが、いわゆる「材料に過度に反応してしまう取引」と言われる取引スタイルです。
では、総裁選前後の値動きをクローズアップして見てみましょう。
ドル円(日足)
9月27日時点では移動平均線(MA)がクロス寸前であり、この日は9日MAを割って終了しています。
悩ましい局面でしたが、翌日には即座に陽線を示し、MAがクロスしました。こうした流れを見て、感情に左右されずに取引するトレーダーはこの動きに従って取引を進めたことでしょう。
感情を排し、シグナルに忠実に従うことができる方です。
また、一目均衡表でも転換線が基準線を上回る位置に移動し、これは7月17日以来の変化となっています。この動きも、感情に左右されずにトレードができる方にとっては、買いに入るべきシグナルの一つが点灯したタイミングといえるでしょう。
こうしたシグナルに従って、適切にエントリーできた方も多いのではないでしょうか。
ドル円(週足)
2020年3月の101.17円から161.94円への上昇幅を基にすると、以下のような重要なフィボナッチリトレースメントレベルが浮かび上がります。
- 38.2%下落 = 138.73円
- 50.0%下落 = 131.56円
- 61.8%下落 = 124.38円
9月16日の安値139.56円は、大きな流れの中で見ると、38.2%の自律調整レベルで止まった可能性があると考えられます。
今後の相場を見ていくうえでも、このポイントは非常に重要です。つまり、161.94円を超えない限り、円高の主要なサポート価格は「139.56円」と「138.73円」のダブルボトム価格とみることができます。これらは、大きな流れで見た際の重要な指標です。
一方、円安が進んだ場合、特に円高派にとっては考えたくもないシナリオですが、その場合のターゲット価格としては以下の水準が出てきます。
- 167.2円
- 170.5円
- 173.1円
- 174.4円
- 175.8円
「何じゃその価格は!」と思われるかもしれませんが、大きな流れの中ではこれらの価格がターゲットとなり得ます。 さらに、直近の重要な価格としては、7月3日の高値161.94円から139.58円までの下落幅に基づくフィボナッチリトレースメントがあります。
ドル円(日足)
- 50.0%戻し = 150.75円
- 61.8%戻し = 153.39円
これらの価格を突破してくると、一部の方には「絵空事」と感じられるかもしれませんが、「175円±2円前後」が次の注目のターゲット価格になる可能性があります。
今夜は米消費者物価指数(CPI)発表
今夜9時半には、9月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。今回も非常に注目度が高く、発表直後は例のごとく、相場が大きく上下に振れることが予想されます。
その動きを、プロのトレーダーのように狙いますか?それとも高速売買用のアルゴリズムマシンに任せますか?もしそうでなければ、どのように対応すべきでしょうか?
こうした急な変動に備えるためにも、前もって掲示したドル円の重要な価格レベルを知っておくことが、対処方法を明確にする助けになるのではないでしょうか。
不安が生じるのは、どこまで動くのか分からないからです。しかし、逆に相場が自分の予想とは異なる方向に動いた際の「見切りをつける価格」をあらかじめ押さえておけば、恐怖感を和らげることができます。
マーケットEyeの会員様向けコンテンツでは、こうした不安をしっかりとケアし、具体的な対策をご提供しております。
いずれにしても、今夜の動きで注目すべきポイントは以下の2点です
- 150.75円を超えるかどうか!
- 147.34円を割るかどうか!
この2点に焦点を絞って、今夜の動きをしっかり見極めましょう。
「材料に過度に反応してしまう取引」撲滅運動中です♪
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